山根博士の海外モバイル通信

日本では消えゆくガラケー、エチオピアでは数千円でYouTubeも使える端末に進化していた

文●山根康宏 編集●ASCII

2026年04月16日 12時00分

エチオテレコムのクラウドフォン

 2026年3月末で日本の3Gサービスが終了し、いわゆる「ガラケー」もほぼ姿を消そうとしています。一方、海外ではまだまだ3Gサービスを展開している国も多く、それらの国ではフィーチャーフォンも健在です。

 エチオピアのキャリア、エチオテレコム(Ethio telecom)はフィーチャーフォンを使ってYouTubeやFacebookなどを利用できる、クラウドフォンサービスを展開しています。

ガラケーで動画配信も見れる

3G/4GやWi-Fiに対応、タッチパネルも備えたエントリースペック

 サービスを開始したのは2025年の10月、約半年前です。使用するフィーチャーフォンはチップセットがUNISOCのT127系。通信は3Gと4G、またWi-Fiも内蔵します。ディスプレーは最上位モデルでも3型(320×240ドット)と小型ですが、タッチ操作に対応しています。テンキーと合わせて自在な操作が可能です。

カメラは300万画素と控え目

 OSはAndroidではありません。クラウド連携可能なフィーチャーフォンOSと、詳細は不明です。チップセット性能は低いものの、アプリはクラウド側で動作するため、そのクラウドアプリの動作速度は通信回線速度に比例します。

独自OSとクラウドの融合で、低スペックでもSNSや動画を実現

見た目はただのフィーチャーフォンだ

 端末のアプリから、雲型アイコンの「Znexus Telecoloud」を立ち上げます。端末はWi-Fiに接続されていましたが、クラウドへの接続はやや待たされます。接続後は画面に表示されるアプリアイコンが変わり、クラウド上にあるものが表示されます。SNSや動画配信のほか、ゲームアプリも提供されているようです。

 なお、アプリの追加は個人ではできず、エチオテレコムが定期的に追加やアップデートをしています。

これは別の端末。Znexus Telecoloudを起動、クラウドアプリが表示される

 試しにYouTubeを起動してみました。画面をタップすると起動しますが、ここでも起動して画面が切り替わるまでには30秒程度待つこともありました。スマートフォンに慣れていると非常に遅いものの、数千円台のフィーチャーフォンでもスマートフォンでメジャーなアプリが利用できるのです。

起動まで若干時間がかかるがフィーチャーフォンでYouTubeが見れる

デジタル格差を埋める一助に
QWERTYキーボード搭載機も期待

 もちろんあらゆるアプリが利用できるわけではなく、文字入力などを考えると本格的に使うことは難しいでしょう。しかし、格安なフィーチャーフォンユーザーがまだまだ多い新興国では、クラウドフォンサービスはデジタルデバイドを解消する大きな役目を担ってくれるわけです。

ガラケー片手にSNSも便利なものだ

 QWERTYキーボード搭載のフィーチャーフォンも出てくるようなので、実際に使ってみたいものですね。

実機はなかったがQWERTYキーボード付き端末も登場予定

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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