松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

電話もかけられるゴールドカード「W55T」 (4/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2008年01月19日 00時00分

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世界観は完全にカード、なのだが……


 しかしながら、ここまでクレジットカードをモチーフに世界観を統一しているがゆえに、非常に残念な点がある。何と、W55Tは「おサイフケータイ」に対応していないのだ。

 確かにW55Tのターゲットは、ケータイにワンセグなどの派手な機能を求めず、シンプルでベーシック、しかもかっこいいというスタイルを求めるユーザーだ。

 そんな人々なら、もちろんクレジットカードも持っているし、SuicaやPASMOで電車に乗っているだろうから、わざわざケータイに「おサイフ」を入れなくてもいいのかもしれない。

 この薄さの中にFeliCaチップを入れるのが難しかったという事情も考えられる。しかしドコモから今春登場する「705iμ」シリーズは、DもPもNも「おサイフケータイ」に対応している。

 ほかのどのケータイよりも、カードっぽさを実現しているW55Tだからこそ、逆におサイフケータイとして機能しない方が不自然なのだ。キャッシュレスの快適さを求める人々のためにも、次のモデルでは「おサイフケータイ」という欠けたピースを組み込んで、その世界観を完成してほしい。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。自身のブログはTAROSITE.NET



*次回は1月24日掲載予定


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