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楽天が急に「地球に優しい」と言い始めたワケ (1/3)

文●山口健太

2018年12月06日 16時00分

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 楽天が11月29日、「未来を変える」とうたう通販サイト「EARTH MALL with Rakuten」をオープンしました。従来と同じ「楽天市場」の一部でありながら、フェアトレード商品などを集めたサイトになっています。

 年末商戦を迎え、楽天を含めた各社の「何%還元」キャンペーンが過熱する中、このサイトでは一歩引いた視点から消費のあり方を見なおすことを提案。これまでの楽天にあまりなかった「地球に優しい」イメージを打ち出しています。

■国際認証のついた商品に特化した通販サイト

 EARTH MALLを手がける楽天の小林正忠氏が「楽天が地球に優しいというイメージはまったくないと思う」と発表会で切り出したように、楽天としても新しい試みとなっています。

楽天 常務執行役員兼チーフ・ピープル・オフィサー(CPO)の小林正忠氏。楽天の創業メンバーの1人でもある

 サイトで販売するのは「国際認証」を受けたものをはじめ、環境や社会に配慮された商品とのこと。具体的には水産資源や海洋環境を守っていることを示す「MSC認証」、フェアトレードであることを示す「国際フェアトレード認証」など6つの認証を挙げています。

EARTH MALLが取り扱うさまざまな国際認証

 楽天市場ではありとあらゆる商品が売られていますが、すべてが「優しい」わけではありません。「安いコーヒーやTシャツの製造工程をたどっていくと、児童が働くバングラデシュの工場に行き着くこともある」と小林氏は指摘します。

 日本においても、経済状況はかつてほど豊かなわけではなく、買い物をするときは少しでも節約したいという人がほとんどでしょう。しかし児童労働や環境汚染といった問題に目をつぶってでも安さを求める人は、さすがに少ないのではないでしょうか。

国際認証のついた商品の例。意外と普通のものが多い

 楽天は企業の新たなミッションとして「サステナビリティ」を打ち出し、持続可能な消費に向けて貢献していくとのこと。これは世界的な流れとなっている「SDGs」(持続可能な開発目標)への取り組みの一環となっています。

SDGsの目標12「持続可能な消費」に楽天が貢献

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