アスキースマホ総研・白書

誰でもわかる高性能なAndroidスマホの選び方 (2/3)

文●林 佑樹 編集●ASCII編集部

2017年08月02日 17時00分

CPUをGPUをチェックする!
A10がブッチギリの「Geekbench 4.1.0」

 Geekbench 4.1.0は、CPUとGPUの性能をチェックするもので、もっぱらアップル製品向けなイメージであるが、Windows、macOS、Android、iOS向けが登場しているため、スマホとPCの性能比を調べる場合にも使用されることもある。念のため、記しておくが、スマホもカテゴリーとしてはPCである。

 結果を見ていくと、A10 Fusionが圧倒的な結果となった。RenderScript Scoreは群を抜いており、これはGeekbench 4.1.0がMetalに対応していることが大きな理由だろう。またKirin 960のRenderScript Scoreは、アプリが強制終了するばかりで計測できずに終わっており、参考数値として考えると、Multi-Coreだけに絞ったほうがいいかもしれない。

 なお、Multi-Core 4000以上であれば、普段の用途ではまずストレスを感じないレスポンスであるため、今回の結果を見るに、2018年のミドルクラスに期待が持てそうだ。なお、P10 Plusのスクリーンショットは割愛している。

Geekbench 4.1.0

クアルコム製Snapdragon 835搭載
「Xperia XZ Premium」

クアルコム製Snapdragon 820搭載
「AXON 7」

クアルコム製Snapdragon 625搭載
「ZenFone 3」

サムスン製Exynos 7搭載
「Galaxy Feel」

MediaTek製Helio X20搭載
「FREETEL 極2」

アップル製A10 Fusion搭載
「iPhone 7 Plus」

必ず発生する熱ダレ問題


 サーマルスロットリングというよりは、熱ダレと言ったほうが通じかもしれない。SoCの温度状況によって、動作クロックに制限を入れる機能だ。SoCの保護目的で用意されており、そのスマホが安全に動作し続けるために採用されている。ウェブブラウズ程度なら問題ないが、ゲームやベンチマークなど、高負荷になりがちなアプリを長く実行していると、急に描写がもたついたりする。

 2017年は14nmFinFET採用Snapdragonになったことと、メーカー側での放熱設計の見直しで、熱ダレは減少しつつある。防水端末であれば、常温の水に浸しながらベンチマークを実行してみるとわかるが、大気中で実行したときよりも、高いスコアが出やすい。つまり、あらかじめ性能を抑えていることが多いのだ。とはいえ、その状態でも圧倒的に前モデルよりも性能がアップしているので気にならないのだが、夏期の場合は気温・室温が高くなるため、ゲームや動画など長時間操作していると熱ダレが発生する可能性が高くなるので、頭に入れておこう。

 例外としては、シャープのAQUOSシリーズ。同シリーズは、バッテリー残量を起点とした厳格なSoC制御を行なっており、使用するコア数や動作クロックが変化する。XperiaシリーズのSTAMINAモードのようにユーザーが関与できるわけではないため、バッテリー残量が減るごとに性能ダウンを体感することになる。


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