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iPhone 8に買い換えるべき人ってどんな人? 7ユーザーはどうする? (3/3)

文●島徹 編集●ASCII編集部

2017年10月18日 17時00分

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新センサーを採用したカメラはどう変わった?

 最後にカメラについてチェックしていこう。今回はiPhone 8 PlusとiPhone 7 Plusで画質を比較した。撮影設定はiPhone 8 PlusはHDRが有効なので、iPhone 7 Plusも同様にHDRオートで撮影している。いずれも広角側レンズで撮影しており、基本的にはiPhone 8とiPhone 7とほぼ同じ傾向の画質だと考えていい。

iPhone 8 Plus(左)とiPhone 7 Plus(右)の作例比較。カフェ屋内だが、画質の差は少ない。左のiPhone 8 Plusのほうがやや暖色よりで、店の照明の雰囲気や飲食物がややおいしそうに見える

iPhone 8 Plus(左)とiPhone 7 Plus(右)の作例比較。屋外で撮影。右のiPhone 7 Plusは木々の葉の色が白飛びしまっている。一方、左のiPhone 8 Plusは木々の葉が色鮮やかで、小屋を含めた全体が暖色よりで人が好ましいと感じる色になっている

iPhone 8 Plus(左)とiPhone 7 Plus(右)の作例比較。夜の駅前を撮影。いずれも肉眼では暗くて見えないビルの細部までしっかりと表現できている。比較するなら、左のiPhone 8 Plusの方が、人がより好ましいと感じる色や明るさで再現できている

 iPhone 8 PlusとiPhone 7 Plusで撮り比べていると、明らかにiPhone 8 Plusのほうが、人が好ましいと感じるホワイトバランスで撮影できていることが多かった。もしかしたら、True Tone用の環境光センサーをうまく活用しているのかもしれない。

 また、iPhone 8 PlusやiPhone 8ではHDR設定が標準で、設定の奥深くに入らないとHDRを解除できなくなっている。その代わり、屋外の作例で顕著だがHDRを用いたであろう画像補正が格段に向上しており、従来のカメラよりメリハリのきいた写真を撮影できた。iPhone 8シリーズのカメラ画質は、カメラだけでなく各種センサーや画像処理の向上によるものといって良さそうだ。

 このほか、iPhone 8 Plusでは2眼レンズを用いて背景をボカすポートレートモードと、さらに照明効果を加える「ポートレートライティング(β)」機能も搭載した。

iPhone 8 Plusではポートレートモードで背景をボカせるのに加えて、照明効果も設定できるようになった

スタジオ照明だと、被写体がやや明るく背景からやや浮き出した印象になる

ステージ照明(モノ)は背景をばっさりと切り取って印象的な写真を撮影できる

 このほか、ムービー撮影は4K/60fpsや、スローモーションも1080p/240fps撮影に対応。このクラスの撮影になると保存容量やiPhoneからPCへのコピー時間が気になるところだが、内部ではより高効率に圧縮できるHEVCコーデックで記録されており、ファイル容量がH.264の約半分で済む。

 PCにコピーする際は設定からHEVCコーデックのままコピーするように設定すると、大容量の動画も短時間でPCへ転送できる。ふだんは4K/30フレームで撮ることが多いだろうが、それでもYouTuberや動画撮影が趣味の方にはうれしい改良点だ。

買い換えの本命はiPhone 8 Plus!
性能と各機能のバランスがとれた名機

 今年のiPhone 8はナンバリングが変わるだけあって、iPhone 7からの進化点は多い。特に液晶ディスプレーのTrue Toneとカメラ画質の進化、急速充電対応の3点は、地味な進化点だが毎日利用する機能だけあって、いちど体験するとiPhone 7や6sへは戻れなくなるだけの魅力がある。

 機種としてのオススメなのはiPhone 8 Plusだ。今後さらにネット動画や電子書籍が生活に浸透することを考えると、iPhoneを買い換えてから数年使うのなら、高画質な大画面モデルを選んだほうがいい。また、フルHD解像度の高画質ゲームやARゲームを楽しむという面でも、高画質液晶と高性能チップのバランスが良く快適にゲームを楽しめる。

 逆に、iPhone 8は液晶の解像度が低く、せっかく高性能なチップやカメラを搭載していても、存分に性能や画質を楽しめないと感じられた。今回はiPhone 8もフルHD化して欲しかったところだ。

 11月3日発売の「iPhone X」と比べた場合、iPhone 8シリーズはこれまでのiPhoneと同じサイズ感や慣れた操作方法で使えるのに加えて、成熟した指紋認証センサーや、有機ELの寿命や焼き付きの問題と無縁な液晶ディスプレー搭載など利点も多い。

 もちろん、iPhone Xにも本体サイズを抑えつつ解像度が向上するなど多くの魅力的な部分があるが、初代製品だけに長く快適に使えるかという点で不安もある。もし、この冬に長く使える高品質スマホが欲しいのであれば、筆者ならiPhone 8シリーズをチョイスする。

 iPhoneを買い換えるタイミングとしては、iPhone 6sユーザーにとってはベストチョイスだ。6sから7よりも、7から8への進化の方がふだん使いで魅力的な進化点が多いので、少々金額がかかっても8を選ぶことをオススメする。

 iPhone 7の場合はまだ1年目なので、割賦や毎月の割引を考えると買い換えは難しいだろう。だが、iPhone 7も無料のSIMロック解除すると中古ショップでやや高く買い取ってもらえることが増えた。iPhone 7からiPhone 8への買い換えは進化点が少ないため積極的に乗り換える理由が乏しいが、大画面への買い換えが目的ならiPhone 8 Plusは完成度が高いので、積極的に買い換えを考えてもいいだろう。

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