松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

PC的インターフェイスの鬼「N905i」 (3/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2007年12月21日 13時50分

PCライクキーとニューロポインターの黄金タッグ


 N905iの端末を開くと、まず驚くのが「PCライクキー」と呼ばれるキーのデザインだ。

PCライクキー

PCライクキー。角が落としてあるため、フレームなどがなくてもキートップを正確にとらえられる。キーの間のすき間にはイルミネーションが敷き詰められていて美しい

 パソコンのキーボードは、表面が平らで角が落としてある立体的なキートップがほとんどだ。一方、ケータイは、平らなところに溝が区切られていたり、シートキーになっていたりと、パソコンのそれとは一線を画すのが常だった。

 しかしN905iのキートップは違う。パソコンのように、トップの部分が平らで、角が落としてあり、ある程度のストロークも確保されている、とても上質な仕上がりだ。キーの配置も、端末の幅いっぱいに広がっておらず、指の移動もスムーズに行えるところがいい。

 そしてNEC製FOMA端末ではもはやおなじみになった「ニューロポインター」もまた、パソコンで慣れ親しんだインターフェースに近いものだ。

 「ThinkPad」の「TrackPoint」のようにスティック型のポインティングデバイスで、動かしたい方向に先端部を動かすとカーソルが移動する仕組みになる。

 ニューロポインターを傾けた方向に応じて、画面の中にパソコンのような矢印のポインターが現れ、ボタンに合わせてクリックしたり、スクロールに使ったりすることができる。

 カーソルを介しているので直感的ではないものの、パソコンのマウスで培ったポインティングの技術をミニマムな画面の中で応用できるのは、PCを使っているユーザーからすると、ちょっとした心地よさと「使いこなしている」という充実感があるものだ。

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