松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

Wikipediaケータイで叡智に触れる (2/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2008年08月28日 10時00分

「放送と通信の融合」は手のひらの上で起きている

 923SHなどの辞書対応ケータイ端末が起こしている変革は、単にいつでも辞書が使えて便利といった点だけではない。

SH-web

より詳しい説明を読むには、シャープのケータイサイトSH-webにジャンプする

 ケータイに機能としてオンライン辞書が搭載されるようになる前から、ケータイは得てして「ながら」情報検索のツールとして活用されてきた。それをよく象徴している言葉が、「放送と通信の融合は、僕の手のひらで起きている」である。

 この名言とも言えるコメントは、慶應大学SFCで僕が携わっている「ネットワーク文化」を履修している学生の言葉であった。「放送と通信についてどう思うか?」という課題を出したときの回答だ。

辞書検索

ケータイウェブ閲覧中にも文中の言葉を辞書検索すること出来る。実用的で気が利いた対応と言える

 すなわち、テレビを見ながら片手にはケータイがあり、出てきた言葉やタレントの名前などを検索エンジンで検索する。Wikipediaなどのオンライン辞書のページから手っ取り早く意味を知ることができる。

 ケータイが最も手軽な検索窓となっている状況を、「手のひらでの融合」と表現しているのである。インパクトも十分だし、ワカモノの日常生活がにじみ出でいる、素晴らしい意見だと思った。

 そんなケータイで手軽に検索をかける習慣を考えると、スマートリンク辞書機能はユーザーのケータイの日常生活での使い方をうまく吸い上げているように思える。

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