鶴の一声で決まったリニューアル
絵文字のリニューアルを担当したソフトバンクモバイルの朝倉淳子氏に聞いた。
「ソフトバンクの絵文字は、J-PHONEの頃から基本的には変わっていませんでした。ディスプレイの解像度で多少デザインが変化している程度です。J-PHONE時代、一気に絵文字の数を増やしたことがあり、現在は471文字。そのうち173文字のデザインを今回変更しました」(朝倉氏)
今回特に力を入れたのは、顔の表情だ。顔の絵文字は、言葉の表現を補足したり、意味を強調したり、あるいは柔らかくしたり、テキストコミュニケーションの中で非常に微妙なニュアンスの伝達を担っている。
「孫社長はもともとドコモユーザー。ムンクの叫びに似た絵文字がお気に入りでしたが、既存のソフトバンクでは青ざめた顔がそれに相当します。これはユーザー間の温度差がありすぎます。ずっとJ-PHONE、Vodafone、ソフトバンクのケータイを使ってきた社員とは違い、他のキャリアを使っているからこそ、表現の違いが気になったそうです」(朝倉氏)
最初は顔の絵文字だけを変えていく予定だった。しかし、順番に各社の絵文字と比較していくと、孫氏も各社それぞれの表現が全く違うことに気付いたそうだ。他社のケータイと同じニュアンスが伝えられるような「互換性」が重要である点を改めて感じることになった。