話題のセパレートケータイに弱点アリ!?
ドコモブースで、一際多くの注目を集めていたのがこのセパレートケータイ。
では、ケータイを分離したら、機能はどう分かれるのか? NTTドコモの答えはディスプレー部とダイヤル部だそうだ。単に折りたたみケータイをそのまま2つに分けた形だ。片方にはタッチパネルに対応するディスプレー、もう一方にはダイヤルキーがあり、Bluetoothで連携させる仕様になっている。
展示されている端末は、ダイヤル部からメニューを操作して、ビデオ再生もできる。もっとも、Bluetoothでビデオ再生をするとクオリティーが限られる。説明員によると、ストレージやビデオ再生のプロセッサーはディスプレー側に用意されているため、映像はBluetoothでは飛ばないとのこと。逆に通信チップはダイヤルキー側にあり、通話はダイヤルキー側を耳に当てればOKだそうだ。
ここでなるほど、と思った。今日のケータイはメディアプレイヤーとしての性格も強く、ストレージはどちらかというとディスプレーとくっついている方が都合がいい。たぶんワンセグチューナーも同様だ。
ではダイヤルキー側には何を残すのだろうか。こちらで通話をするので、通信機能を入れることになる。しかしBluetooth 2.0+EDRでも2~3Mbps程度の速度しか出ず、これはドコモのHSDPA 7.2Mbpsの半分以下の数字だ。
さらにドコモは近い将来、次世代通信LTEで100Mbps以上を目指すロードマップを提示している。となると、通信チップもやはりディスプレー側に残しておかなければ、せっかく高速でダウンロードしたデータを蓄積・表示するには都合が悪い。
だとしたら、タッチパネル対応のディスプレーとストレージを持つディスプレー側に通信チップも欲しくなる。じゃあ、分離したケータイのダイヤルキー側に残るのは、ダイヤルキーとイヤホン・マイクだけ? だったらiPhoneにBluetoothでキーボードとヘッドセットを接続するのとどこが違うのだろう?
考えれば考えるほど、折りたたみケータイをセパレートケータイにする必然性はなくなる。理由があるとしたら、痴話げんかでケータイを折られる心配がないことくらいだろうか。
確かに今までくっついていたモノを分離するアイディアは楽しいし、情報端末の組み合わせを着せ替え感覚で選べるのも面白い。しかし、もう少し実際の利用シーンとテクノロジーの進化を見据えて、本質的な姿を考える必要があるのではないだろうか。