親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定

TikTokの小学生動画には男性ファンも 投稿前に親が安全設定を

文●高橋暁子 編集●アスキー編集部

2019年02月05日 09時00分

人気爆発中の「TikTok」には小学生の投稿動画も少なくない。トラブルが起こる前に、親はアプリ設定の変更を検討すべき

「TikTokに投稿したい」子のために親は設定変更を知ろう

 2018年の流行語大賞にもノミネートされた「TikTok」が話題だ。ショート動画アプリ「TikTok」には、ダンスや口パク(リップシンク)動画が多く投稿されており、中高生など10代に絶大な人気を誇っている。最近、同アプリ利用者の低年齢化が進んでいる。

 近頃、「うちの子がTikTokに動画を投稿したがって困っている」と、小学生の子どもを持つ保護者から相談を受けることが増えてきた。TikTokアプリを見ると、制服姿で校内で撮影している女子中高生と並び、可愛らしい小学生女児の自撮り動画が多数見つかる。

 動画にはコメントを付けられるが、「◯◯県の△△です」と撮影場所を公開してしまっていたり、「LINEを交換しよう」というコメントが寄せられていたり、自ら「●日にオフ会をやります!」とオフ会参加者を募集している例も見かける。「先日のオフ会に参加してくれた人、ありがとう!」とすでに会ったことがわかるコメントも見つけた。

 また、YouTubeで「TikTok 小学生」などで検索すると、「TikTok小学生女の子まとめ」などと、小学生女児の投稿した動画がまとめてアップロードされているのが見つかる。TikTokの動画は他のユーザーがダウンロードでき、再アップロードできてしまうのだ。なかには、「パンツが見えてる」「肌見せすぎ」などのコメントが付けられている動画もある。

 小学生女児の投稿は人気が高く、多くの成人男性がファンとして登録したり、コメントを付けている状態であり、保護者としてはかなり心配になる状態だ。個人情報流出、出会い系被害などにつながる危険があると言えるだろう。

TikTokには小学生があふれている

個人情報をコメント欄で公開する例も多い

低年齢のうちは動画ダウンロードとコメントを不可に

 子どもがTikTokを使う場合は、そもそも見るだけにするのか、動画を投稿するなら顔を出すのかどうかなどについて話し合って決めよう。顔出しをした場合、動画が永遠に残り削除できないリスクがあることは忘れないでおきたい。

 安全のために次のような設定ができる。アプリを開き右上の三本線をタップし、「設定」をタップ。「プライバシー設定」をタップすると、各種設定ができる画面となる。

 「プライベートアカウント」をオンにすると、承認したユーザーだけに見られるようになる。動画を悪用されたくない場合は、「自分の動画をダウンロードできる人」をオフにしよう。また、コメントやメッセージで個人情報を公開したり出会い系被害につながるリスクを抑えたい場合は、「自分にコメントを送ることのできる人」「自分にメッセージを送ることのできる人」をオフにしよう。

 ただしこれらの設定は子ども自身で簡単に変更できてしまう。隠れて使われてしまうことが一番怖いので、必ず「なぜこのような設定にしたほうがよいと思うか」を子どもに伝えるようにしよう。コメント欄のやり取りを許可する場合は、個人情報は公開しないことや、直接会わないことなどを約束させよう。

TikTokで個人情報をできるだけ露出させないための設定方法

1. 右上の三本線をタップ

2. 「設定」をタップ

3. 「プライバシー設定」をタップ

4. 各種設定を切り替えよう

TikTokの使い過ぎを防ぐ視聴時間制限機能が有効

 同アプリには、「デジタルウェルビーイング」機能がある。これは視聴時間に制限をかけるためのものだ。中毒性が高く、数時間も見続けてしまっている子どもがいるため、このような機能を利用するのもいいだろう。

 アプリを開き右上の三本線→「設定」をタップした後、「デジタルウェルビーイング」→「オンにする」をタップ。4桁のパスワード入力を求められるので入力し、矢印をタップ。再度パスワードを入力し、矢印をタップ。「タイムロック」をオンで最大2時間に視聴時間を制限できる。

 これで、2時間以上視聴しようとするとパスワード入力を求められるようになる。「制限モード」をオンで不適切な動画が表示されることが防げる。こちらはペアレンタルコントロール機能になるため、保護者が解除しない限り変更はできない。

TikTokの視聴時間を制限「デジタルウェルビーイング」設定方法

「設定」→「デジタルウェルビーイング」→「オンにする」をタップ

パスワードを入力し矢印をタップ

再度パスワードを入力し矢印をタップ

詳細を設定しよう

 以上のような設定は、TikTokのリスクを軽減するために役立つが、十分に完全なものではない。保護者が子どもにリスクを伝え、安全に使うための約束事を決め、利用を見守るべきだろう。

■関連サイト

著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

■Amazon.co.jpで購入

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング