まずはそれぞれ同じ画角で遠景を撮影し解像感をチェック。等倍に拡大してみると高解像度の「Z7Ⅱ」のほうが当然細かい部分まで精細に再現されているが、「Z6Ⅱ」の解像感も負けず劣らずである。
ためしに両機で撮影した写真の解像度を2400万画素相当に変換して比較してみたが、かなり健闘している。掲載した作例は絞りをF5.6にして画面内の最遠位置にピントを合わせて撮影している。「Z6Ⅱ」では気にならなかったが「Z7Ⅱ」では手前の景色のピントがわずかに甘いのがわかり、F5.6では被写界深度が浅かったと後で反省した。
このように丁寧に撮影は必要だが、より高解像度を追求したいならもちろん「Z7Ⅱ」がオススメ。2400万画素で手軽に高画質を楽しみたいのなら「Z6Ⅱ」を選ぶのがいいだろう。
7を買うか6でいくのか、Ⅱを買ったほうがいいのか!?
次に高感度での画質をチェックした。「Z7Ⅱ」は常用感度ISO64~25600、拡張機能でISO32~102400である。「Z6Ⅱ」は常用感度ISO100~51200、拡張機能でISO50~204800まで設定可能だ(この値は「Z7/6」から変わりない)。
両機の感度別に撮影した画像を見ると、「Z7Ⅱ」ではISO12800からノイズが目立ち始めるが、「Z6Ⅱ」ではISO25600からと、約1段分の差がある。高感度画質ではやはり1画素のサイズが大きい「Z6Ⅱ」のほうが有利だ。とはいえ「Z7Ⅱ」もISO6400程度なら問題なく常用することができる画質である。
メーカーでは画像処理エンジンを2基搭載したことでAFや連写の性能が向上したとアピールしている。厳密に前モデルと比較したわけではないが、確かに「Z6Ⅱ」は今回試用した「Z 24-70mmF2.8 S」との組み合わせでは俊敏でテキパキとピントを合わせてくれた。「Z7Ⅱ」も「Z6Ⅱ」ほどではないがライバル機達に決して引けを取らないAF速度に感じた。
連写速度も「Z6Ⅱ」なら拡張時の高速連続撮影が秒10コマから秒12コマ(「Z7Ⅱ」は秒9コマから秒10コマ)に向上している。ただし若干AFの食い付きが甘く感じることあった。またAF-Cモードで合焦マークが表示されないのも相変わらずで、合わせて今後の改良に期待したいところである。
また暗所でのAFは「Z7Ⅱ」が-3EV、「Z6Ⅱ」が-4.5EVとそれぞれ-1EVほど引き下げられている。前モデルでは確かに暗い場所が少し苦手かと感じていたが、今回同じような暗所で撮影してみたら、確実のその差を実感する。たかだが-1EVの違いだがこの差は侮れない。
またAFの進化で嬉しかったのが、瞳AF(顔検出AFや動物AF含め)が「オートエリアAF」だけでなく、「ワイドエリアAF」で使用できるようになったことだ。オートエリアAFでは手前の被写体にピントが合うので、意図して後方にピントを合わせたい場合はAFモードを変更が必要だったが、「ワイドエリアAF」なら自分で測距範囲を選べるのでより実用的になった。
オプションではようやく縦位置シャツター搭載のバッテリーパックに対応となる。MB-N11で、4万8950円で11月6日発売予定だ。
新製品というには進化の幅はわずかなので、前モデルユーザーが買い替えを検討するほどではないだろう。ただデュアルスロットや暗所AFの改良などユーザーの声は着実に反映させたモデルになっている。まだZデビューしていないニコンファンの背中を押すカメラなのである。