ASCII Power Review

Nikon Z7Ⅱ / Z6Ⅱ 実機レビュー = エンジン能力UPで連写もAFもキモチいいのだっ!!

文●写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2020年10月14日 13時00分

 まずはそれぞれ同じ画角で遠景を撮影し解像感をチェック。等倍に拡大してみると高解像度の「Z7Ⅱ」のほうが当然細かい部分まで精細に再現されているが、「Z6Ⅱ」の解像感も負けず劣らずである。

 ためしに両機で撮影した写真の解像度を2400万画素相当に変換して比較してみたが、かなり健闘している。掲載した作例は絞りをF5.6にして画面内の最遠位置にピントを合わせて撮影している。「Z6Ⅱ」では気にならなかったが「Z7Ⅱ」では手前の景色のピントがわずかに甘いのがわかり、F5.6では被写界深度が浅かったと後で反省した。

 このように丁寧に撮影は必要だが、より高解像度を追求したいならもちろん「Z7Ⅱ」がオススメ。2400万画素で手軽に高画質を楽しみたいのなら「Z6Ⅱ」を選ぶのがいいだろう。

「Z7Ⅱ/Z6Ⅱ」それぞれ同じ場所で撮影して比較。評価機のためか微妙にホワイトバランスが露出が異なっているのはご愛敬。
「Z7Ⅱ」で撮影。使用レンズ「Z 24-70mmF2.8 S」・絞りF5.6・シャッタースピード1/125秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

「Z6Ⅱ」で撮影。使用レンズ「Z 24-70mmF2.8 S」・絞りF5.6・シャッタースピード1/125秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

「Z7Ⅱ」で撮影。使用レンズ「Z 70-200mm F2.8」・絞りF5.6・シャッタースピード1/320秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

「Z6Ⅱ」で撮影。使用レンズ「Z 70-200mm F2.8」・絞りF5.6・シャッタースピード1/250秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

両機の解像度を2400万画素相当に揃え、一部を等倍に拡大して比較。左が「Z7Ⅱ」、右が「Z6Ⅱ」。

7を買うか6でいくのか、Ⅱを買ったほうがいいのか!?

「Z7Ⅱ/Z6Ⅱ」それぞれで、感度を変えて撮影した画像(以下の2点)の全体写真。はやり「Z6Ⅱ」のほうがノイズは目立たない。使用レンズ「Z 24-70mmF2.8 S」・絞りF5.6・シャッタースピード1/30秒・ISO12800・ホワイトバランスオート・ノイズ処理オフ。

 次に高感度での画質をチェックした。「Z7Ⅱ」は常用感度ISO64~25600、拡張機能でISO32~102400である。「Z6Ⅱ」は常用感度ISO100~51200、拡張機能でISO50~204800まで設定可能だ(この値は「Z7/6」から変わりない)。

 両機の感度別に撮影した画像を見ると、「Z7Ⅱ」ではISO12800からノイズが目立ち始めるが、「Z6Ⅱ」ではISO25600からと、約1段分の差がある。高感度画質ではやはり1画素のサイズが大きい「Z6Ⅱ」のほうが有利だ。とはいえ「Z7Ⅱ」もISO6400程度なら問題なく常用することができる画質である。

「Z7Ⅱ」の感度別の画像の一部を拡大して比較。左上からISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600・ISO51200。ノイズ感を確認するためノイズ処理はオフにしている。使用レンズ「Z 24-70mm F2.8」・絞りF5.6・ホワイトバランスオート・ノイズ処理オフ。

「Z6Ⅱ」の感度別の画像の一部を拡大して比較。左上からISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600・ISO51200。ノイズ感を確認するためノイズ処理はオフにしている。使用レンズ「Z 24-70mm F2.8」・絞りF5.6・ホワイトバランスオート・ノイズ処理オフ。

 メーカーでは画像処理エンジンを2基搭載したことでAFや連写の性能が向上したとアピールしている。厳密に前モデルと比較したわけではないが、確かに「Z6Ⅱ」は今回試用した「Z 24-70mmF2.8 S」との組み合わせでは俊敏でテキパキとピントを合わせてくれた。「Z7Ⅱ」も「Z6Ⅱ」ほどではないがライバル機達に決して引けを取らないAF速度に感じた。

 連写速度も「Z6Ⅱ」なら拡張時の高速連続撮影が秒10コマから秒12コマ(「Z7Ⅱ」は秒9コマから秒10コマ)に向上している。ただし若干AFの食い付きが甘く感じることあった。またAF-Cモードで合焦マークが表示されないのも相変わらずで、合わせて今後の改良に期待したいところである。

「Z6Ⅱ」の高速連続撮影(拡張時)で撮影。この設定でもAE、AFともに追随してくれる。使用レンズ「Z 70-200mm F2.8」・絞りF2.8・シャッタースピード1/200秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

 また暗所でのAFは「Z7Ⅱ」が-3EV、「Z6Ⅱ」が-4.5EVとそれぞれ-1EVほど引き下げられている。前モデルでは確かに暗い場所が少し苦手かと感じていたが、今回同じような暗所で撮影してみたら、確実のその差を実感する。たかだが-1EVの違いだがこの差は侮れない。

「Z6Ⅱ」で暗所撮影のテスト。撮影データを見ればかなり暗い場所だとわかると思うが、それでもしっかりピントを合わせてくれた。使用レンズ「Z 24-70mm F2.8」・絞りF5.6・シャッタースピード1/8秒・ISO12800・ホワイトバランスオート。

 またAFの進化で嬉しかったのが、瞳AF(顔検出AFや動物AF含め)が「オートエリアAF」だけでなく、「ワイドエリアAF」で使用できるようになったことだ。オートエリアAFでは手前の被写体にピントが合うので、意図して後方にピントを合わせたい場合はAFモードを変更が必要だったが、「ワイドエリアAF」なら自分で測距範囲を選べるのでより実用的になった。

 オプションではようやく縦位置シャツター搭載のバッテリーパックに対応となる。MB-N11で、4万8950円で11月6日発売予定だ。

 新製品というには進化の幅はわずかなので、前モデルユーザーが買い替えを検討するほどではないだろう。ただデュアルスロットや暗所AFの改良などユーザーの声は着実に反映させたモデルになっている。まだZデビューしていないニコンファンの背中を押すカメラなのである。

「Z7Ⅱ」で撮影。レリーフの細部を見ると精細な解像力が伝わってくる。使用レンズ「Z 24-70mm F2.8」・絞りF5.6・シャッタースピード1/8秒・ISO12800・ホワイトバランス

「Z6Ⅱ」で撮影。新幹線のようなフラットな形状では少しピント合わせが苦手だった。使用レンズ「Z 70-200mm F2.8」・絞りF2.8・シャッタースピード1/2000秒・ISO800・ホワイトバランスオート。

「Z6Ⅱ」で撮影。ISO25600まで感度をあげてみたが、まだ余裕を感じられる。使用レンズ「Z 24-70mm F2.8」・絞りF16・シャッタースピード1/10秒・ISO25600・ホワイトバランスオート。

mobileASCII.jp TOPページへ