Windows情報局ななふぉ出張所

KDDIが今からフードデリバリーに力を入れるワケ (3/3)

文●山口健太

2021年06月08日 09時00分

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■アフターコロナを見据えて足場を確保

 KDDIとしては単にmenuの事業拡大を支援するだけでなく、au PAYやPontaポイント、1500万会員のサブスク「auスマートパス」と連携させ、au経済圏の拡大も図っています。アプリの画面上ではちょっとした変化に見えますが、今後の展開を見据えるとなかなか興味深い動きといえます。

auスマートパスとの連携や、au PAYミニアプリにもmenuが追加

 というのも、経済再開に伴ってフードデリバリーの成長は鈍化する可能性があるためです。デリバリーでラクをすることを覚えた人は多く、お金で時間を買えるメリットは今後も変わらないとはいえ、それだけで成長が続くかは難しいところです。

 その上、競争激化も予想されています。ドコモは出前館と組んでいた「dデリバリー」を6月に終了。foodpandaとFOODNEKOは事業統合で生き残りを図ったものの、米国最大手のDoorDashが配達員の募集を始めるなど日本上陸の準備を進めています。

 スマホの画面には限りがあるため、頻繁に使わないフードデリバリーのアプリは隅に追いやられていくでしょう。ホーム画面の一等地に残れるのは1つか2つかもしれません。そこでau PAYのような「スーパーアプリ」との連携が重要になってくるわけです。

 au PAYは単なる決済アプリを超えて、いろいろなサービスを統合したスーパーアプリとして存在感を高めています。menuはそこに加わることで、フードデリバリー市場で生き残るための足場を確保したといえるでしょう。

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