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KDDIが今からフードデリバリーに力を入れるワケ (1/3)

文●山口健太

2021年06月08日 09時00分

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KDDIとmenuが資本業務提携を発表。au経済圏の拡大を図っている

 6月2日、KDDIはフードデリバリー「menu」との資本業務提携を発表しました。携帯値下げを背景にau経済圏の拡大を進めるKDDIですが、コロナ禍で急成長を遂げたフードデリバリーに今から進出して、勝ち目はあるのでしょうか。

■携帯値下げ圧力でもKDDIが強気な理由

 政府が進める「携帯値下げ」の影響で、携帯キャリアは減収を余儀なくされていません。KDDIの場合、グループ全体のID数とARPU(一人あたり平均売上)のかけ算から、今年度は600億円強の減収が見込まれています。

 そこでKDDIは携帯以外の事業として、金融やEコマース、エネルギーなど「ライフデザイン領域」の拡大を図っており、今年度は520億円の増益という強気の予想を出しています。前年度が200億円の増益だったことと比べても2倍以上の勢いです。

KDDIはライフデザイン領域で2桁成長を予想する(2021年3月期の決算会見資料より)

 この数字を達成すべく、KDDIはさまざまな施策を打ち出してくるでしょう。その中で発表したのがフードデリバリー「menu」との資本業務提携です。これによりKDDIは50億円を出資し、menuの株式の20%を取得したとしています。

 フードデリバリーはコロナ禍で急成長を遂げたとはいえ、なぜ今から参入するのかという疑問は残るところです。そこで注目したいのが「ID連携」の可能性です。

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