毎年のようにアップデートされる中で、現行iPhoneのコンセプトはiPhone 11、iPhone 11 Proの世代で確立され、それを洗練させてきたのが昨今のiPhoneだった。今年もそのコンセプトを継続し、デザインだけをみるとiPhone 12以降に現在の姿にほぼ到達。
さらに自社開発のSoCも、iPhone 14は13 Proと同じで14 Proも新規開発とは言っても、大きなCPU、GPU性能の更新はなさそう。
このような状況でスペックだけを見ていると「今年はあまり変わらない」と思う人も多いだろう。実際、そのような意見をSNSの中では多数見かけたし、自分自身もさすがに今回は新しい仕掛けをいくつか仕込んでいるとはいえ、難しいのではと思っていた。
しかし、製品が届きセットアップした上で外に持ち出してみると、スペックでは語れないよさに注力し、特定の性能数値を上げるのではなく、さまざまな使い方をする上での「体験の質」にフォーカスを当てて開発をしていたことを実感できた。
ボケの自然さが向上したシネマティックモード。逆光時のゴーストはやや気になるが、それも味として捉えれば面白く使えそうだ。24コマ表現は被写体位置をキープしながらパンする際など、被写体を見せながら背景を溶かす表現などにも使える
特に通常版とPro版の違いは、初めてPro版が登場したiPhone 11 Pro以降、最も大きなものだ。スペックの違いももちろんあるが、そこは今年の注目点ではない。感覚的な部分に訴えるエモーショナルな性能が、特にPro版についてとても高い。
iPhone 14世代のよさは必ずしもカメラだけではないが、わかりやすいのでカメラについて、そのエモさについて書き進めよう。