「実質ゼロ円」グーグルの大盤振る舞いな下取りに
Pixelシリーズを扱うキャリアとの関係はどうなる?
さらに話題となっているのが下取りキャンペーンだ。Pixel 7 Proが「実質ゼロ円で買える」と盛り上がっているのだ。
グーグルストアで購入する際、Pixel 4やiPhone 11を下取りに出すと、最大6万1500円で引き取ってくれる。さらに2万1000円分のストアクレジットが付与されるため、合計で8万2500円分、お得となり、実質ゼロ円で購入できるというわけだ。
ちなみにPixel 4を大手中古買取業者のサイトで検索したところ、買取上限金額は1万7000円であった。つまり、グーグルは4万円以上、買取価格を上乗せていることになる。
市場価格を超える額での買取は、キャリアが通信契約と紐付けて実施すると、総務省に怒られる案件だ。キャリアによる買取価格が市場における買取価格を超えていると「利益の提供」と見なされしまうのだ。
しかし、グーグルの場合は通信契約と紐付くことなく、完全分離で端末のみを売っているので、特に問題はなさそうだ。
グーグルとしては日本市場を重視、買取価格を上乗せすることで、すでにPixelを使っているユーザーにはPixelシリーズを使い続けてもらい、さらにiPhoneや他社Androidを使っているユーザーにはPixelに乗り換えてもらいたいのだろう。ユーザーとしては、中古下取業者に出すよりもお得になるので、このキャンペーンを喜んで受け入れることだろう。
しかし、Pixelシリーズを扱うKDDIやソフトバンクは正直言ってグーグルのやり方に、不満を持っていてもおかしくない。
KDDIとソフトバンクにしてみれば、せっかくPixelを取り扱っているにもかかわらず、グーグルに大盤振る舞いな下取りを展開されると在庫のリスクを抱えることになる。
一般的にはまだまだネットではなく、キャリアショップで購入するユーザーが大半なので、影響は軽微なのかも知れないが、キャリアショップとして客から「ネットで買った方がお得だけど、なんとかならないか」と言われても、どうすることもできない。
グーグルと同じ下取りキャンペーンをキャリアが展開できればいいのだが、それでは総務省に怒られてしまう。過剰な下取りキャンペーンはキャリアとの関係を気まずくさせる可能性があるのだ。