グーグル、ならびに通信キャリアはauとソフトバンクが、Android 13を搭載する最新スマートフォン「Google Pixel 7 Pro」「Google Pixel 7」を発売します。今回、筆者は発売の少し前から実機を試すことができました。とても気になっている写真の「ボケ補正」や、「レコーダー」アプリによる自動文字起こしなど「Pixelならでは」と言える機能の進化を中心に試しました。
そして上位モデルである「Pixel 7 Pro」の方がオススメという結論に至った理由も解説したいと思います。
仕事に使える「ボイスレコーダー」は賢くなった?
グーグルは2021年秋に発売したPixel 6/Pixel 6 Proから、自社で設計・開発するシステムオンチップ「Google Tensor」と「Titan M」セキュリティチップの採用を開始しています。得意とするAI(人工知能)とAndroidを組み合わせることで、機会学習や音声認識など、他社のAndroidスマホと一線を画した「Google Pixelシリーズならでは」と言えるユーザー体験を実現しています。
そのひとつに、Pixel純正「レコーダー」アプリによる自動文字起こし機能があります。レコーダーアプリで会話の音声を録音しながら、同時にテキスト起こしもしてくれるという、筆者のようなライターの仕事を力強くサポートしてくれるありがたい機能です。
2022年10月時点では英語と日本語のほか、ドイツ語/フランス語/スペイン語/イタリア語に対応しています。英語と日本語による会話の自動文字起こしは仕事にも十分に使える精度なので、筆者はPixel 6 Pro(とPixel 6a)を仕事の神器として愛用しています。またグーグルは現在、純正レコーダーアプリをPixelシリーズ以外の他社製Androidスマホに提供していません。今後も当面はPixelシリーズを選んだユーザーだけが、使える機能になりそうです。
Pixel 7/Pixel 7 Proは、パフォーマンスが向上した最新の「Google Tensor G2」チップを搭載しています。レコーダーアプリによる自動文字起こし機能の使い勝手に、影響は表れるのでしょうか。新旧Pixelシリーズの実力比較は英語(US)と日本語で実施しています。
Pixelシリーズのレコーダーアプリは特に英語を選択すると、ハイレベルな音声認識とテキスト変換の性能が実感されます。できあがるテキストは、仕事にも使えるレベルに到達しています。とはいえ、複数の参加者によるディスカッションが早口で繰り広げられると、文字起こしのテキストは「地続き」に記録されてしまいます。
レコーダーアプリには会話の間が少し空いた瞬間、段落を分けてタイムスタンプを記録する機能があります。新旧Pixelのレコーダーアプリを比較すると、Pixel 7の方がタイムスタンプを会話の間合いを見つけて適切な場所に打つ精度が少し高いようです。その差は文字起こしの言語に日本語を選択した場合よりも、英語(US)の方がよくわかりました。筆者は日本語の文字起こしの方が仕事に使う機会も多いので、英語に迫る機能向上を期待したいです。
また録音された音声の再生速度を0.5倍(遅く)から最大3倍(速く)まで、調整できる機能が新しく付きます。ゆっくり正確に聴き直したい時にこれは便利でした。
グーグルはPixelシリーズの発表会で「今年後半」にレコーダーアプリをアップデートして、「スピーカー判別」の機能を追加すると宣言しました。いわゆる話者の聞きわけについては、LINEの「CLOVA Note」アプリなど先に実現しているものがあります。ライバルと比べて、グーグルのレコーダーアプリの完成度にどれぐらいの差が出るのか楽しみです。
なお、レコーダーアプリの文字起こしはオフライン対応なので、あまり機会はないと思いますが、飛行機で移動しながらミーティングの会話を記録・文字に起こしたい時などにも使えます。
レコーダーで記録したデータは音声ファイルをGoogleドライブに保存、テキストはWordなどでも読み込みやすいファイル形式に変換後、メールで共有したり、グーグルのサービスと連係しながらスムーズにアーカイブできるところも優れています。「仕事がはかどるスマホ」として筆者がPixelシリーズに魅力を感じるポイントです。