楽天「フィルター不要論」展開
楽天モバイルは3キャリアに対して、それぞれ5MHzずつ電波を分けてほしいと案を出してきた。3社とも痛み分けとはなるが、楽天モバイルとしては「3社で公平に」という配慮からの提案だ。
しかし、新たに法律ができ、簡単に周波数帯を召し上げられ、ほかの事業者に獲られてしまうなんて、3キャリアは納得できるわけがない。
3キャリアは「5MHzを別のキャリアに割り当てる場合、電波の干渉が起きてしまい、通信品質が下がってしまう。フィルターと呼ばれる機械を全国の基地局に導入しないといけない」と反論。一方で、楽天モバイルは「フィルターなんて不要だ」と3キャリアを突っぱねた。
そこで、第14回のタスクフォースでは3キャリアから「フィルターの有効性についての実験結果」が発表された。3キャリアとも「フィルターがないと通信品質が落ちる。フィルターは必要だ」だと数値的な根拠を持って示してきた。フィルターを設置するには当然、コストが発生する。3キャリアとも数百億円規模を見積もっており「周波数を欲しがるキャリアが工事費を負担すべき」と主張した。
一方で楽天モバイルは、実験結果に対して「実際にユーザーが体感する程度のものなのか」と疑問視したのだった。
楽天モバイルとしては「フィルターは不要」という主張を変えていない。実験結果を受けて、3キャリアが「フィルターは絶対必要」というのであれば「それぞれ3キャリアが工事の費用を負担して、フィルターを設置すべき」(楽天モバイル・矢澤俊介社長)としている。