性能もカメラも「使いやすさ」重視で進化
では性能はどうか? ベンチマーク(Geekbench 6)的に言えば、iPhone 14 Pro Maxに多少劣るくらい、というところだろうか。SoCには同じ「A16 Bionic」を採用しているはずだが、マルチコア性能が若干低い。
とはいえ、これでも市場全体で言えば「圧倒的にハイエンド」であり、多くの人は十分に満足できると思う。
カメラについては、48メガピクセルのメインカメラと超広角、という組み合わせ。昨年との大きな違いは、48メガピクセルのカメラのうち24メガピクセル分を切り出すことで実質的な「2倍の望遠」が使えることだ。デジタルズームの一種とも言えるのだが、画質的なリスクがより小さいのがポイントと言える。
またソフトウエア改善との組み合わせにより、ポートレート撮影の被写界深度コントロールがやりやすくなったのもポイントだ。とりあえず撮影しておいて後からフォーカス位置を変える場合にも、あわせたい場所を「タップ」するだけで良くなった。
また、ポートレート撮影が「モード切り替え」することなく撮れるようになったのもプラスと言える。とりあえず標準の撮影モードで撮影しておき、あとからポートレート撮影へと切り替えて使えるわけだ。
さらに、48メガピクセルを活かした「解像度優先」の撮影もできる。通常は24メガピクセルもしくは12メガピクセルでの撮影となるが、48メガピクセルで解像度優先の撮影もできるようになっている。テレビや大画面ディスプレイで見たり、一部を拡大して使いたい場合などにはいいだろう。ただしメインカメラのみで使える機能であり、光量が十分な場所での撮影に向いたものである点に留意は必要だ。
ソフトウエア的な変化はProシリーズにも共通のものではあるが、どのモデルも着実に進化している……と考えるとわかりやすい。
Proかそうでないかの違いは主に「望遠」であり、今回は「2倍」が使えるようになったことで、Pro(3倍もしくは5倍)に対して多少近づいた……という見方もできるだろう。