「10万円前後でこれだけのパフォーマンスが出ている製品はほかにない」
総務省による割引規制が強化されて久しいが、もはやスペックモリモリのハイエンドが売れまくるという時代はとっくに終わっている。
シャープとしてもスペックありきよりも「ユーザーの手が届く値段に収まる最高の使い勝手」をAQUOS Rシリーズで提供してきたという自負があるようだ。
実際、これまでAQUOS Rシリーズはクアルコム「Snapdragon 8シリーズ」を採用していたが、今回のAQUOS R9はSnapdragon 7+ Gen 3という7シリーズとなっている。
一見、スペックが落ちたような印象があるが、シャープの通信事業本部、小林繁本部長は「Snapdragon 7+ Gen3は、+が着いているだけあってほかの7シリーズに比べて格段に違う。+はぜひ太字で書いておいてもらいたいぐらい。お客さまの認識を調べると、チップの型番を重視する人に比べて、実際に触っての操作性の気持ちよさのを重要するという人のほうが3倍ぐらいいた。どうしても8シリーズが良いという人は一桁パーセントしかいない。圧倒的に触って気持ちいい、バッテリー持ち、値段のバランスが重視される。10万円前後の価格でこれだけのパフォーマンスが出ている製品はほかにないのではないか」と自信を見せる。
メーカーとすれば、やはり昨今の円安基調も相当、ものづくりに影響があるようだ。
今回、もうひとつの新製品であるAQUOS wish4では、画面サイズが6.6インチと、従来モデルの5.7インチから、かなり大型化している。これまでwishシリーズはどちらかといえば「コンパクトスマホ」的な訴求もしていたため、コンセプト自体が大きく変わった印象があるのだ。