グーグルは、14日2時（日本時間）に開催したイベントで、Androidスマートフォンの新製品「Pixel 9」シリーズを発表。本記事では折りたたみの「Pixel 9 Pro Fold」を除く、3モデルについて紹介する。

折りたたみの「Pixel 9 Pro Fold」を含めて、4モデルで登場したPixel 9シリーズ

高性能カメラなのにサイズは標準モデルと同じ
淡いピンクのカラバリも魅力の「Pixel 9 Pro」が登場！

　まず注目はラインアップ。Pixel 8では通常モデルの「8」と上位モデルの「8 Pro」の2機種。処理性能は基本同じだが、画面サイズの違いに加え、カメラ機能にも差がつけられていた。

　一方で、Pixelシリーズのシェアが特に高い日本では、サイズがそれほど大きくない高性能モデルが人気となっている（iPhone 15 Proが代表例）。その声を反映したのか、Pixel 9シリーズでは標準モデルの「Pixel 9」に加え、横幅は標準モデルと同じ72mm（6.3型有機EL）で、カメラは高性能な「Pixel 9 Pro」、Pixel 8 Proの後継となる大画面の「Pixel 9 Pro XL」と3モデル構成になった。

左が比較的コンパクトになった「Pixel 9 Pro」で、右が前年モデルの「Pixel 8 Pro」。一回り半ほどちいさくなっている

　価格は、Pixel 9が12万8900円～、Pixel 9 Proが15万9900円～、Pixel 9 Pro XLが17万7900円～（いずれもSIMフリー版の128GBモデル）。Googleストアのほか、ドコモ／au／ソフトバンクの主要3キャリアからも販売予定で、Googleストアでは3モデルともすでに予約受付を開始している。発売日はPixel 9とPixel 9 Pro XLは8月22日、Pixel 9 Proは9月4日。

強力NPUでGemini Nanoを動作　そのためにメモリーも4GB増量
画像生成AIを活用したカメラの新機能にも注目

　性能面で注目は、まずは第4世代に進化した独自開発のプロセッサ「Google Tensor G4」によるAI機能。さらに強化されたNPUでは、マルチモーダルAIの「Gemini Nano」を動作。よりスムーズなAI体験のために、メインメモリーが9では12GB、9 Pro／9 Pro XLでは16GBと、前モデルから4GBずつ増加している。

　NPUのみならず通常の処理性能もアピール。ウェブブラウジングで20％、アプリ起動で17％高速化したほか、省電力性能も上がっており、バッテリー駆動時間が約20％伸びたとしている。課題があると言われてきた放熱面でもベイパーチャンバーの搭載で強化した。バッテリー充電速度も9と9 Proは27W対応により、30分で55％、9 Pro XLは37W対応で30分で70％と高速化している。

　AI関連で利用できる機能としては、Google I/Oでも発表されたGoogleアシスタントに代わる新たな音声操作機能の「Geminiライブチャット」に加え、カメラ周りでは画像の自動生成により、フレームの周辺を自然に拡大して、構図を自動調整する「オートフレーム」、野原の写真に花を追加するなど、ユーザーのアイデアを写真に追加する「イマジネーション」といった機能が利用できる。

Geminiで食材の写真を撮り、そこからレシピ例をたずねたところ。パイナップルとニンジンという微妙（？）な組み合わせでも具体的な内容が出てくる

こちらはオートフレームの例。エモい竹林でグループ写真を撮ったのに、画角の関係で竹の方がよく見えないという画像を自動生成AIで拡大した

　カメラのハードウェア面では、メインは1/1.31型の5000万型センサーでレンズのF値は1.68と変更はないものの、標準モデルの超広角カメラ、Proのインカメラがそれぞれ進化。前者は4800万画素に、後者は4200万画素となっている。9 Pro／9 Pro XLの動画ブースト機能は処理性能がアップし、動画での夜景モード時の処理速度が2倍に、超解像ズームでの動画撮影は最大20倍まで対応するようになった。

標準モデル（右）は「標準＋超広角」、Proモデル（左）は「標準＋超広角＋5倍望遠」という組み合わせである点はPixel 8と同じ

Pixel 9とPixel 9 Proの両方に日本向け（？）のピンクが

　そのほか詳しいスペックは、下記の表で参照いただきたいが、標準モデルのPixel 9は、Pixel 8からは若干のサイズアップ（横幅70.8mm→72mm）で重量もアップ（187g→198g）。ストレージは128GB／256GBの2タイプで、バッテリーサイズは4700mAh。

Pixel 9はこの4色のラインアップ

　カラバリはObsidia、Porcelain、Wintergreen、Peonyの3色で、背面のガラスは光沢系の処理。ただし、指紋は目立ちにくい処理がなされている。Peony（シャクヤク）は鮮やかなピンクで日本では特に人気となりそうだ。

Peonyはかなりインパクトあり。背面は光沢加工になのがわかる

側面は逆に色付きのメタルになっている

　Pixel 9 Pro／9 Pro XLは、8 Proではサポートしていたミリ波への対応はなくなっている。画面サイズは6.3型と6.8型。ともにLTPO技術の有機ELパネルで、1～120Hzの可変駆動。ストレージはともに128GB／256GB／512GBの3タイプ。バッテリー容量は4700mAhと5060mAh。

こちらはPixel 9 Proの4色。9 Pro XLも同じ

　カラバリは、Obsidian、Porcelain、Hazel、Rose Quartzの4色で、背面はマットな仕上がり。こちらのピンクはよりシックなイメージになっている。

背面はマット系で手触りも良好

9 Proの側面は光が反射する加工

実質3万9800円になるキャンペーンが9月2日まで実施
付与されるクレジットは追加保証にも使える

　なお、発売記念として、対象スマホの下取りと次回以降の買い物に使えるGoogleストアクレジットの付与で、3モデルが実質3万9800円になるキャンペーンを9月2日まで実施。また、今年7月にGoogleストアで提供を開始した保証サービス「Preferred Care」の対象になっており、加入すると保証期間が2年に延長されるほか、画面割れや落下も対象に。購入日から30日以内に申し込みでき、上記のGoogleストアクレジットが利用できる。