DJIが自動トラッキングを実現したジンバルを発表=「Osmo Mobile 7/7P」

文●みやのプロ(@E_Minazou) 編集● ASCII

2025年02月19日 00時01分



 DJIは2月18日に、スマホ専用スタビライザー「Osmo Mobile 7/7P」を発表した。

 「Osmo Mobile」は照明も内蔵した「OM多機能モジュール」で被写体の自動トラッキング性能が向上している。

 価格は「Osmo Mobile 7P」が1万8480円、「Osmo Mobile 7」が1万3310円で、2月18日発売予定だ。

新開発「OM多機能モジュール」で自動トラッキングが有能に
「Osmo Mobile 7/7P」
 

Osmo Mobile 7P

 Osmo Mobile 6と同様に、iPhoneやAndroidスマホで、手ブレ補正した撮影ができる3軸のスタビライザーで、内蔵の三脚で自立も可能だ。

Osmo Mobile 7P

 「Osmo Mobile 7」と「7P」の違いは、本体の左側にあるスイッチが、7ではスライド型で、7Pではホイールになっていることと、7Pのみ、グリップから伸びるロッドを内蔵していることだ。また、7Pには「OM多機能モジュール」が付属し、7では別売となる。

Osmo Mobile 7P(左)と7(右)

Osmo Mobile 7P のパッケージ内容

Osmo Mobile 7 のパッケージ内容

 「OM多機能モジュール」はカメラを内蔵した小さなユニットで、インテリジェントな自動トラッキングが可能となる。

「OM多機能モジュール」

 「OM多機能モジュール」にはさらに、照明を内蔵しており、4種類の色温度と照度を切り替え可能。7Pではサイドホイールを使って、操作が可能だ。

 また、「OM多機能モジュール」にはDJIのワイヤレスマイクの受信機も内蔵しており、簡単に明瞭な音声で録画ができる。

 手を使ったジェスチャーでの操作が可能で、トラッキングや録画、フレーミングの指示ができる。

 トラッキング機能はVer.7.0にアップデートされ、複数人のシーンでのトラッキングがより確実になったほか、ペットでは動きに敏捷にフォローし、体型の変化に応じて追跡可能。ズームイン・アウト時でも、ターゲットを見失わずにトラッキングができる。

 バッテリー駆動時間は7/7Pともに10時間で、ジンバルが撮影に使用されていないときには、本体のCポートを通じてモバイルバッテリーとしスマホに充電できる。充電は10Wのアダプターで約2.5時間だ。

 専用アプリの「DJI mimo」では、この機能をONにすると、日常的な撮影シーン(パーティー、店舗探索、食べ物、休日、公園、ビーチ、芝生など)を知能的に認識し、初心者でも素晴らしい映像を簡単に撮影できるように、役立つ撮影やフレーミングの提案をしてくれる。撮影後は、動画の自動編集も可能だ。タイムラプス撮影、パノラマ撮影、クローンパノラマ、ダイナミックズームなどのスマート機能も持つ。

 本体サイズはOsmo Mobile 7Pが、利用時で288×107×96 mm、折りたたみ時で190×95×46 mmで利用時で重さは368g、Osmo Mobile 7では278×107×93 mmと179×95×39 mmで利用時で300gとなる。

 利用できるスマートフォンの重さは170~300gで、厚みは6.9~10mm、横幅は67~84mm。

スタビライザーもアプリもこなれた作り
「Osmo Mobile 7P」クイックレビュー
 

Osmo Mobile 7P(左)と7(右) のパッケージ

 「Osmo Mobile 7/7P」をDJIから借りることができたので、実際につかってみた。

 パッケージには、スタビライザー本体にスマホ取り付け用クランプ、「OM多機能モジュール」にケーブルが2本、ストレージポーチとマニュアルが入っている。

 マニュアルはいつもの「絵」だけのクイックスタートガイドで、スマホに専用アプリの「DJI mimo」をダウンロードしておけき、そのとおりに実行すれば、使い始められる。

Osmo Mobile 7P(左)のほうが、ロッドがあるぶん、グリップの長さが7(右)より長い

 スタビライザーの腕を開くと自動で電源が入り、クランプで挟んだスマホを取り付ける。スマホのBluetoothメニューでスタビライザーを接続すれば、あとはアプリが自動認識してくれる。

 最初に、使い方のチュートリアルが始まり、各ボタンの使い方が絵で表示されるので、とても分かりやすい。マニュアルを参照する必要もない。

☆Mボタン
1回押し:ジンバルのモード切り替え
3回押し:スタンバイ
長押し:電源OFF

☆録画ボタン
1回押し:動画または写真撮影
2回押し:動画撮影中に写真撮影

☆切り替えボタン
1回押し:アウトカメラとインカメラ切り替え
2回押し:縦位置・横位置切り替え
3回押し:動画モード・写真モード切り替え

☆人差し指トリガー
1回押し:トラッキングのON/OFF
2回押し:ジンバルのセンタリング
1回押し+長押し:フォロー速度UP
3回押し:スマホが180度回転

☆サイドホイール
1回押し:ズームとフォーカス切り替え(回転で調整)
長押し:フィルライトのON/OFF
1回押し:明るさ・色温度切り替え(回転で調整)
2回押し:アプリでサイドホイール機能の設定

 文字にするとなかなか覚えにくいが、使っていくうちに指が覚えてくれる。サイドホイールを使ったズームイン・アウトは、画面に触れずにできるのはとても便利だ。

 7Pに付属するスマホクランプには、「OM多機能モジュール」を接続する端子が付いていて、ガチャンとハメればいい。7のクランプには端子はなく、別売の「OM多機能モジュール」に付属のクランプを使うことになる。

 内蔵の照明は、モジュールのボタンで、明るさを変えられる。色調まで切り替えられるのは、細かいことだが、嬉しい機能だ。

「OM多機能モジュール」の内蔵照明は自撮りのときに便利だ

 7Pのスタビライザーには伸長するロッドが内蔵されていて、約22cm伸ばすことができる。握り部分のデザインもうまくできていて、自分は手のひらが大きいほうだが、気持ちよくグリップできた。

ロッドは20cmほどだが、ちょっと高いところからや、ローアングルで撮るときに非常に便利だ

サイドのスイッチが、7P(左)ではホイール、7(右)ではスライドになる。

 「DJI mimo」アプリは、こなれた作りで、アイコンもわかりやすい。AIトラッキングは「OM多機能モジュール」なしでも十分賢く、人物を自動追尾してくれる。モジュールを付けると、反応がより俊敏になり、なおかつ、ロスト率が下がる印象だ。

 美白や小顔、瞳拡大、クマ消しといったオジサンにも嬉しい機能。パノラマでは、左右240度や、上下左右に3×3回位置を変えて撮影し、9枚の写真を合成してくれるほか、3カ所に同じ人がいるという分身写真を撮ることもできる。

「DJI mimo」アプリは右端のカメラの機能を選ぶと、その機能ごとの設定メニューが左で選べるので迷いはない。

 DYNA-ZOOMを選ぶと、「ムーブイン・アウト」ができる。これは、被写体との距離を広げたり縮めたりしながら、ズームを連動して、被写体のサイズを同じにキープするもので、これが自動でできるのは被写体検知が正確な証だ。

 DJIのワイヤレスマイクシステム「DJI Mic Mini」があれば、被写体にマイクを付けるだけで、面倒な受信機でのワイヤリングなしに、「OM多機能モジュール」を受信機として、撮影と同時に録音もできる。

「DJI Mic Mini」はマグネットで衣服の胸に設置できる

 マイク(トランスミッター)2台と受信機(レシーバー)1台、充電ケースで2万4200円のキットだが、マイク1台なら7700円で購入できる。自撮りでもスマホのマイクより格段に明瞭な音声が獲れるので、オススメなのだ。

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