iPadでテキストを入力するときに壁となるのは、おそらく「ライブ変換」だろう。この変換方法は、今まで当たり前だった「変換」という作業を自動で行うものなので、パソコンでの操作に慣れている人ほど使いにくいと感じるかもしれない。
しかし、変換作業を極力減らせるライブ変換は、思考がじゃまされずにどんどん書き進められるので、慣れてくるとテキスト入力が思いのほか快適なものになる。そのため、試さずに敬遠するのは非常にもったいない。
今回は、ライブ変換の基本的な使い方と、活用のヒントを解説していこう。
「ライブ変換」が向いている人、向いていない人
パソコンでは、好みの日本語入力システムを選択できるのが普通だ。例えば、OS標準の日本語入力システムに不満がある場合、「ATOK」や「Google日本語入力」などをインストールして使える。
iPadにも、「ATOK」や「Gboard」などの日本語入力システムをインストールできる。ただし、これらを使えるのは、あくまでもiPadの画面上に表示されるオンスクリーンキーボードのみだ。つまり、画面をタッチして操作するときにしか使えない。
iPadで外付けキーボードを使用する場合、サードパーティー製の日本語入力システムは利用できず、アップル純正の日本語入力システムに切り替わる仕様になっている。これはiPadOSによる制限なので、現状では回避する手段がない。
このアップル純正の日本語入力システムはひと癖あり、パソコンの入力環境に慣れた人にとってなじみにくいのが実情。その最大の要因が、先にも述べたライブ変換だ。
通常、パソコンで文章を入力する際は、途中でスペースキーを押してテキストを変換する必要がある。一方、ライブ変換の場合は、スペースキーを押さなくても自動で次々に変換していく。これにより、文章の入力効率を大きく向上できる。
だが、ライブ変換は使い方や目的によっては快適にもなるし、使いづらくもなる。そこで、どのような人や使い方に向いているか、向いていないかを知っておこう。
●ライブ変換を使うのに向いている人
ライブ変換は文脈を考慮して自動で変換するため、基本的にスペースキーを押して変換する必要がない。そのため、長い文章を一気に入力していくスタイルに適している。例えば、ブログやレポートなど、大量のテキストを入力するような場面では、ひたすら入力できるライブ変換は非常に快適だ。
また、ライブ変換は途切れずに入力を続けられるので、タッチタイピングに長けている人ほど、その効果を実感できるだろう。
●ライブ変換を使うのに向いていない人
ライブ変換は文脈を重視するため、短い単語や単文では誤変換が発生しやすい。そのため、単語単位で正確な変換を求める場合にはあまり向いていない。また、英単語が入り混じるような文章を書く場合も、そのつど単語単位で変換が必要なので面倒だ。
ライブ変換を使ってみて、どうしてもなじめないと感じた場合は、ライブ変換をオフにしておくといい。そうすれば、従来の変換方法(スペースキーで変換)に戻せる。