場合によっては新機能提供を遅らせる措置も
スマホ新法ではもうひとつ「iOSの機能開放」をアップルに求めている。
Bluetoothでの接続やAirPlay、ミラーリングやメッセージ、CarPlayなどの機能を他のメーカーやアプリベンダーにもっと開放し、アップルと同等もしくはそれ以上に活用できるようにすべきというのだ。
これにより、これまでアップルとは関係のなかったメーカーやスタートアップに商機が訪れるという。
ただ、これに対してアップルは「適切な保護措置を講じずにユーザーの端末の一部へのアクセスをサードパーティに認めると悪意のあるものがユーザーの個人情報を盗んだり、暴露したりする可能性がある」と警鐘を鳴らす。
世界的にコロナウィルスが流行った際、アップルでは「感染者への追跡アプリ」を提供した事があった。仮にこのような機能がサードパーティに開放され、さらにFacebookなどのSNSと連係した場合、Facebookがユーザーのメッセージや音声通話をすべてチェックし、さらに個人情報と紐付け、街中を歩くと「女子大に通う20歳以下と出会えるアプリ」なんてものも作れてしまいかねない。
スマホ新法はスタートアップのためにルール作りをしているように見えるが、実際はアップルとしては、他の競合プラットフォーマーや大手のSNS事業者などが、iPhoneの機能にただ乗りして新たなサービスを提供しかねないとみているようだ。
アップルとしては、機能を開放することで、ユーザーの個人情報が悪用され、プライバシーが流出する可能性が出てきた場合には、日本市場で新機能の提供を遅らせるなどの措置をとることもあるようだ。
実際、アップルは欧州においては、規制があったため、Apple Intelligenceの導入を遅らせている。まさに欧州と同じことが日本でも起きかねないのだ。