このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

シャオミ「POCO M7 Pro 5G」は3万円以下でビギナー向けと思いきや、上級者にも必要十分な実力だった (2/2)

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

2025年07月05日 12時00分

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実質的にはシングルカメラだが
画質は満足必至

 リアカメラは2眼ですが、1つは深度センサーなので、実質的にはシングルカメラでした。5000万画素で、レンズF値は1.5。デフォルトでは約1258万画素で記録され、2倍でもインセンサーズームで画質を劣化させずに撮影できます。光学式と電子式の両方の手ブレ補正機能も備えており、1眼ながらスペックは上々と言えます。

レンズは2つだが、ひとつは被写界深度を測定するためのセンサーなので、実質的にはシングルカメラだ

 撮影画質は、記録色の表現が弱めで、やや色が浅く感じることがありましたが、自然な色調を好む人には適している印象。屋内ではやや暗めに写る傾向がありました。夜景は暗い雰囲気を生かしつつ、シャープな画質で写りました。

1倍で撮影。ナチュラルですっきりとした色調だ

2倍は光学ズーム相当の画質で写る

室内で料理を撮った作例。温かみのある色で写った

2倍のポートレートモードで犬を撮った作例

夜景モードもきれいに写る

ディスプレーの高リフレッシュレートや指紋認証速度も!
随所に“価格以上”と思える部分が……

 POCO M7 5Gを検討する人は、さほど多くの機能は求めず、性能もそこそこであれば……と思っていることでしょう。ですが、実際に使うといい意味で裏切られるはず。随所に“価格以上”と思えることがあるからです。

 まず、ディスプレーのリフレッシュレートは最大120Hzで、タッチサンプリングレートは240Hz。上位モデルと同じような、軽快なタッチレスポンスが得られます。

リフレッシュレートは最大120Hzに設定可能。目への負担を軽減する「読書モード」も備えている

 指紋センサーを画面内に搭載していることも利点。左右どちらの指でも触れやすく、ロック解除もスピーディーでした。もちろん顔認証にも対応しています。

ロック解除から素早く「検索」「QRコード」などを起動する機能も備えている

 メモリーとストレージも8GB+256GBと、ミッドレンジとして十分な容量を確保しています。さらに、ストレージの未使用領域に余裕がある場合には、最大8GBの仮想メモリーを拡張可能。256GBのストレージでは足りない場合は、microSD(最大1TB)を装着して拡張することができます。

SIMスロットには2枚のnanoSIMを装着でき、2枚目のSIMはmicroSDとの排他利用になっている

 安価なスマホは内蔵スピーカーがモノラルで、音質がイマイチということが多いのですが、POCO M7 Pro 5Gはデュアルスピーカーで音質も上々。スマホで音楽を聴いたり、動画を観たりすることが多い人も満足すること請け合いです。

「Dolby Atmos」に対応し、自分好みの音質にカスタマイズできるイコライザー機能を備えるなど、音量機能は上位モデルに引けを取らない

注意したいポイントもいくつか
防水防塵はIP64止まり、FeliCaやeSIM非対応など

 低価格のミッドレンジモデルなので、当然、妥協しなければならないこともあります。

 まず、NFCは搭載していますが、FeliCa(おサイフケータイ)には対応していません。そのため、Suica、PASMOなどの交通系ICカードや、iD、QUICKPayなどの電子マネーは使えません。防塵・防水のレベルも、多くの機種が対応する「IP68」ではなく「IP64」なので、水濡れには若干注意が必要です。

 nanoSIMは2枚挿せて、デュアルSIMで運用することもできますが、eSIMには非対応。国内・海外ともにeSIMが急速に普及しているので、不便を感じることがあるかもしれません。

 AI機能が控えめなのも残念なところ。シャオミはAIにも注力しており、上位モデルは「Xiaomi HyperAI」と銘打ち、多彩なAI機能を搭載しています。ですが、POCO M7 Pro 5Gに搭載されるAI機能は少なめ。画像管理アプリ「ギャラリー」の編集機能に「AI天気」「AI消しゴム」「AIボケ」というものがある程度。しかし、グーグルのAIアシスタント「Gemini」はプリインストールされていて、電源ボタンの長押しで起動できます。

空の色や景色を大胆に変えられる「AI天気」

写り込んだ不要なものを消せる「AI消しゴム」機能も、なかなか優秀

「Gemmi」がプリインされていて、調べごとや文章作成などに利用できる

【まとめ】ライトユーザーやサブ端末にオススメ

 POCO M7 Pro 5Gは約3万円という安さなので、正直に言えば、使い勝手にはさほど期待していませんでした。しかし、実際に使ってみると、日常使いには十分と思える機能と性能を備え、気持ちよく操作できました。「POCO」でなければ、5万円以上でもおかしくない品質です。

 これまでにハイエンドを使ったことがなく、ミッドレンジで満足している人だったら、この機種に乗り換えて不便を感じることはないはず。特に、SNS、電話、メッセージなどをメインに使うライトユーザーや、プライベート用のサブ端末として使いたい人におすすめしたいです。

シャオミ「POCO M7 Pro 5G」の主なスペック
ディスプレー 6.67型液晶(20:9)120Hz対応
画面解像度 1080×2400
サイズ 75.7×162.4×7.99mm
重量 190g
CPU MediaTek Dimensity 7025-Ultra
2.5GHz(8コア)
内蔵メモリー 8GB
内蔵ストレージ 256GB
外部ストレージ microSD
OS Xiaomi HyperOS 1.0
対応バンド 5G NR:1/3/5/7/8/20
/28/38/40/41/66/77/78
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13
/17/18/19/20/26/28/32/66
/38/40/41/42/48
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
無線LAN IEEE802.11ac
カメラ画素数 5000万画素+200万画素(深度)
イン:2000万画素
バッテリー容量 5110mAh(45W対応)
FeliCa/NFC ×/○
防水/防塵 △/○(IP64)
生体認証 画面内指紋+顔
SIM形状 nanoSIM×2
USB端子 Type-C
イヤホン端子
カラバリ シルバー、パープル、グリーン
 

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