モノクロ電子ペーパーの特性を理解すればデジタルデトックスも可能
モノクロ電子ペーパー端末は画面が切り替わったときにどうしても残像が残ってしまう。そこで、Minimal Phoneにはリフレッシュボタンが搭載されている。またディスプレーのモードにもテキスト表示に最適な「Slow」から画像や動画表示に向いた「Ultra」まで3つのモードも用意されている。表示されているコンテンツがやや見にくいと感じたら、手動で切り替えてみると良い。あらかじめ4つのプリセットも用意されている。
テキストの表示はディスプレー解像度が230ppiと低いものの、バックライトを使わない電子ペーパーの特性もあってしっかりと見やすく表示される。一方、グラフィックはカラー部分が淡い色合いとなるため、全体的にややぼんやりとした表示になる。これはグーグルマップの表示だが、全体的に薄い表示になっている。
写真もコントラストがよりはっきりと表現されるため、画面モードを切り替えて最適なモードで見る必要がある。とはいえカラー表示ではないことから、「こんなものかな」と割り切って見るのがいいだろう。
画面の残像が気になる人は気になるだろうが、モノクロ画面でテキストを打っているときなどは、軽快に使用できる感覚が快適であり、筆者としてはあまり気にならなかった。このあたりは何度も書くが電子ペーパーディスプレーの特性を理解したうえで使うのがいいだろう。
動画の視聴は得意ではなく、モードをSlowにすると動きが鈍く、Ultraでは全体が濃い色になってしまう。YouTubeアプリを起動することはできるが、音声を聞くものと考えて使うのが良さそうだ。
メモ用途向きのカメラ
カメラは1600万画素の一眼であり、AIによる補正機能なども搭載されていない。シンプルに「記録を残す」という用途に使うのがいいだろう。
カメラUIもシンプル。「画像」と「動画」の切り替えだけであり、倍率切り替えなどもない。
撮影中はモノクロでプレビューされるが、実際に撮影された写真はカラー表示だ。そのためMinimal Phoneだけを使い、身近なものを撮影してSNSにアップする、といった使い方も十分できる。
屋外での作例はあいにくの曇天下のみでしかできなかったが、1600万画素カメラとして考えれば妥当なレベルだ。SNSでシェアするには十分であり、晴天での風景写真ならより綺麗に写せるだろう。
スマートフォン中心の生活から脱却
テキスト入力マシンとしても使える
Minimal Phoneは、スマートフォンを使うことに日々追われている環境から時間を取り戻すことを考えられて設計された製品だ。ゲームや動画視聴をメインに使うのではなく、メールやメッセージでのコミュニケーション、ちょっとした検索といった用途に向いている。あるいはメインのスマートフォンとは別に、テキスト入力マシンとして持ち歩くのもいいかもしれない。
最近めった見ないQWERTYキーボード搭載端末だけに、キーボード愛好家の人にも気になる製品だろう。ちなみに、2025年7月時点での一般販売価格は399ドル(約5万9000円)で、プレオーダー中だ。