主要格安SIMの料金表とともに、格安SIM、SIMフリースマホなどの1週間の動きをまとめてお届けしている本連載。先週のニュースは、ソフトバンクの各種手数料の値上げ。特にウェブ経由での申し込みでは無料だったのが、大半で3850円へと有料化。ここにY!mobile／LINEMOも含まれるのが話題になっている。

オンライン専用ブランドとして、手続きの容易さや手数料が0円なのも売りだったはずのLINEMO。新規契約や各種手続き時の手数料を本当に3850円にするのだろうか

ソフトバンクの3ブランド（ソフトバンク／ワイモバ／LINEMO）
各種手続きの手数料を値上げ　ウェブ経由でも無料→有料に

　ソフトバンクが、新規契約や機種変更、SIM再発行、ブランド間の乗り換えなど、各種手続きの手数料を8月20日から値上げする。これは「ソフトバンク」のみならず、Y!mobile／LINEMOも含まれる。

　今回の値上げで特に大きいのが、ウェブ上での申し込みでは「無料」だった各種手続きが「有料」になった点。新規契約やブランド間の乗り換えなどで、3850円が必要になっている。

ショップでの手続きは3850円から4950円に値上げ。オンラインでのeSIM再発行は3850円としつつ、「当面無料」だ

　SIM再発行（eSIM／物理SIMとも）も従来は無料だったのが3850円になっているが、「当面無料」としており、「有料化の準備が整い次第」あらためて発表するとしている。

　なお、PayPayカード利用者は特典として、すべての手続きで1100円相当のPayPayポイントを付与する。

他社を見ると、ドコモはahamo含めて、オンライン経由は無料
UQは新規契約時の手数料が有料でも安くする方法あり

　従来は無料のものが有料になるので、インパクト大なニュースではあるが、比較のためにあらためて他キャリアの状況も確認してみよう（いずれもオンラインで手続きしたケース）。

　まずはドコモ。ahamo含めて、オンラインでの手続き時は原則無料（店頭では3850円）。わかりやすい。

　続いてKDDI。au／UQ mobileではショップ／オンラインの両方で新規契約は有料（3850円）。eSIM再発行はオンラインなら無料。povo2.0は新規契約は無料（1年以内に6回線以上申し込む場合は3850円）。eSIM再発行は440円だが「当面無料」。

　ちなみにUQ mobileのオンラインでの新規契約の事務手数料は、Amazon.co.jpなどで数百円で購入できる「ウェルカムパッケージ」の購入で無料にすることが可能だ。

UQ mobileを始めとする格安SIMでは定番の「スターターパッケージ」（各社で微妙に名称が異なる）。数百円のパッケージを購入すれば、新規契約の事務手数料が無料になるといったものだ

　楽天モバイルは原則すべて無料（物理SIM再発行は3300円）。

楽天モバイルは物理SIMの再発行など、一部手続きを除いて無料

　MVNOの格安SIMは新規契約時に3300～4000円程度が必要も、UQ mobileと同じく、多くのサービスは「スターターパッケージ」などを購入することで数百円にできる（日本通信とHISモバイルは3300円から若干安くなる程度）。eSIMの再発行は300～500円程度の手数料が必要なケースが一般的だ（日本通信は年に3回無料）。

ワイモバ／LINEMOは新規手数料を安くする方法を用意する？
オンラインでのeSIM再発行で3850円を取ることは現実的!?

　他社の状況と比較してわかるように、料金が売りのY!mobileやLINEMOで、ウェブ経由での新規契約でも事務手数料3850円をそのまま適用することはあるのだろうか？ と感じてしまう。こちらはUQ mobileやMVNOと同じくスターターパックの販売などに期待したい。

　eSIM再発行についても同様。「当面無料」だとして、将来的な有料化時に、オンラインでの申し込みでも本当に3850円を徴収するのだろうか？　どうにも現実的とは思えない（同じく「当面無料」のpovo2.0において、手数料は440円と発表されており、MVNOも同程度だ）。本来の狙いが正直見えない、今回のソフトバンクの発表。今後の動向にも注目したい。

povo2.0もeSIM再発行は「当面無料」で有料化もありえる状態だが、それでも現時点で発表されている金額は440円だ

人気の音声通話付きSIMの料金表（税込）

^{※1：au網を用いたMVNOのサービスは基本的にいずれも直近3日の通信量が6GBを超えた場合の通信速度の制限がある
※2：加入から7ヵ月間無料のキャンペーンで通信量が増量される（以降、月550円）
※3：加入から6ヵ月間無料のキャンペーンで通信量が増量される（以降、月550円）}