やっと梅雨も明け……といっても、もはや「梅雨」という区分にどれだけ意味があるのか問いかけられているような気候なのだけれども、ここまでくると猫にも人にも過酷である。
冒頭写真は車の下にもぐりこんで陽射しをさけてつぶれてるニャツバテ猫。暑さに耐えつつ日没を待っているのである。
撮ったカメラは2025年夏の新製品、OM SYSTEMの「OM-5 Mark II」である。片手で持ってさくっと被写体を追える機動力が魅力だ。猫検出AFとは未搭載だけど、被写体検出AFなんて存在しない時代からカメラを使ってる人には大きな問題ではない気はする。
個人的に気に入っているのは、前モデルよりちょっとデザインがすっきりしたことと、新色のサンドベージュ。ブラックでもシルバーでも赤でも白でもない、いい感じのツヤ消しカラーが目立たないけど存在感がある趣味の1台って雰囲気だ。防塵防滴で手ブレ補正もしっかりというOMシリーズの伝統を受け継いでいるわけで、雨の日も安心だ。
とある雨模様の日、バス停に向かって歩いていたら、右手の奥に白いヤツがいるではないか。雨が上がっていたので、傘をたたんで塀にたてかけ、バスの時刻をチェックし、まだ大丈夫だと望遠ズームレンズに付け替え、「あいつは何をやってるんだ?」という顔をしてる白黒猫を撮ったのがこちら。屋根の下のテラスみたいなところが定位置なようだ。
そして、バス停でバスを待ってたらまた雨が降り出したので傘を差そうと思ったら……傘がない。猫を撮るときに置いたまま忘れてしまったのだ。ひどいな。でも、取りに戻ったらバスに乗り遅れて遅刻する……どうしよう、と思ったら、うしろに並んでいた婆さまが傘を差しだしてくれたのだった。ありがとう。見知らぬ婆さまと相合い傘でバスを待ったのである。それが朝の9時半ころ。
一仕事済ませ、なんとか雨に降られずに済んだ、とりあえず傘を回収しなければとバス停から自宅へ同じ道を通ったのが15時ちょっと前。そしたらぽつんと傘が残っておりました。よかったよかった。
そして、猫がいた方を見ると……なんと2匹に増えておりました。似ているので兄弟かな。左の鼻が黒い猫は朝からずっと同じポーズでそこにいた、ってことはないと思うけど、いや猫だから何があっても不思議はないかも。
ここからは冷房が効いた「保護猫シェルターqueue」へ。実は新人子猫の「キャベツ」と「レタス」のキジトラ兄弟の傍若無人っぷりがすごかったのである。ほかの猫は寝たりちょっと高い位置に逃げたりしてる中、この2匹だけが暑さもものともせず、ところ狭しとじゃれ合いながら走り回っているのだ。
夏の午後、この2匹だけが駆けずり回ってる感じで、兄弟で一緒に保護されたため、ほかの猫が子猫タイフーンに巻き込まれなくてよかったねという感じ。
そして、しまいにはこんなことに。床にあぐらをかき、カメラを持って猫を目で追ってたら、なんと1匹がぴょんと飛び込んできて足の間に埋まってしまったのだ。ちなみに、バリアングルモニターなのをいいことに、モニターを開き、真上から撮っております。
このまま落ち着くかと思いきや、もう1匹がだまっちゃいない。膝の上で2匹の子猫プロレスが始まったのである。
今回、前半と後半でまったく違う話になっちゃったけど、外のニャツバテ猫も室内の子猫プロレスも気軽に撮れる小型軽量カメラですよ、ってことで。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/