「東海道四谷怪談」という江戸時代の有名な怪談話があるけど、四谷って東海道じゃなくて甲州街道じゃない? と思うよね。創作話なのでそこにつっこむのも野暮、という気はするけど、それはそれとして、夏といえば怪談。というわけで、夏に撮った階段猫を厳選してみた。
先日、たまたま良い階段猫に出会ったので思いついたってだけなのだけれど。
では古い方から探してみよう。最初は2002年の9月。23年も前の話だ。雨の日、友人のアパートから帰宅しようとしたら、猫が階段で雨宿りしてたのだ。このあとびっくりして、雨の中駆けていってしまったわけで、悪いことをした。カメラはサンヨー(当時)の「DSC-MZ3」。
次は5年後の2007年7月。自転車で走っててたまたま気づいた猫。緑色の階段がいい味を出してるんだが、なんと、階段の表と裏の両方に猫がいたのだ。
表からと裏から、2枚続けてどうぞ。階段の途中にちょこんと座ってるのは同じ猫。あ、向こう側にもいる、ってんで猫を刺激しないようにそーっと裏に回った記憶がある。
ちょっととんで、2013年。真夏のアパートで出会った階段猫。目があったら大あくびされた。アパートの階段と猫って似合うよね。ちょっと高い位置で安心だし、風通しがいいしってことで夏の昼寝に最適。
続いて団地の階段猫。この団地、もう取り壊されておしゃれな高層アパートになっちゃって猫もいないので場所を書いちゃうけど、東京都港区の都営青山北町アパート。都会に残っていた昭和な団地の階段を少し上ったところに、体格の良いチャトラがのっそりとあらわれたのだ。こちらと目が合ってびっくりしてる感じがいい。
ここは夏でも涼しかったろう。ちなみにこの団地でタヌキを見たこともある。
もうひとつ取り壊されたアパートの階段猫。ここは民間のアパートでいつも近くに猫がいたのだが、建て替えられて猫の姿はもうみなくなった。
冒頭の写真は2016年に撮ったもの。多摩川の土手から河原に降りる階段でくつろいでる猫たちだ。このあたりの河原は近年整備され、この階段もなくなり、多くの猫が住みついていて(毎日世話しにくる人も何人かいた)よく遊びにいっていたのだが、今は1匹もいない。
次は2018年。新宿区のとある裏路地にあるアパートの前。人馴れして撫でさせてくれるおとなしい猫で、ぐぐっと近寄ってローアングルで撮ってみた。

人なつこい猫じゃないと撮れないアングル。広角ズームレンズ+チルト式モニタのカシオのZR4000。この年、カシオはコンパクトデジカメ事業から撤退したのだった。2018年8月 カシオ EXLIM ZR4000
最後は夏らしく、階段の途中で「日が暮れるまで動きたくないよ」って感じでへちゃっとつぶれてる猫。とあるお寺の本堂にのぼるコンクリートの階段である。この猫を撮ろうとカメラを向けたら、参拝客が「今なら撫でられるかも。手を伸ばせば届くかも」って感じでそーっと手を出したので思わず撮影。

これぞ暑い日のへちゃ猫。この日、何枚か撮ったのだけど、猫を触ろうとそーっと差し出されている手がよい按配だったので(届くかどうかギリギリですな)。このあとどうなったかは覚えてない。2021年6月 パナソニック LUMIX DC-S5
今回は2002年から今年までの夏(6月から9月)に撮った階段猫を引っ張り出してみた。無数にある猫写真からどうやって探したのかというと……iCloud写真やGoogleフォトにかなりの写真をアップしてあるので、そこで「階段 猫」で検索し、それを手がかりにHDDにある元データに当たったのである。
クラウドに写真を上げると、検索時に役立つのだ。クラウドの検索機能はどんどん賢くなっているからね。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/