先日、都内でシャープの最新スマホ「AQUOS R10」のファンミーティングが開催されました。
AQUOSシリーズは、日本国内で開発されている数少ないAndroidスマートフォン。デザインは三宅一成氏が設立した「miyake design」が監修しており、端末はグローバルモデルとして、日本、台湾、シンガポール、インドネシアなどのアジア圏で販売されています。
今回はこのファンミーティングでいち参加者として「AQUOS R10」の実機を体験したので、個人的視点からのショートレビューをお届けします。
「AQUOS R10」の熱処理設計は
「断熱」と「伝熱」にヒミツあり
アスキースマホ総研のつばさ氏が進行役を務めたイベントでは、「AQUOS R10」の開発秘話が、シャープの通信事業部で回路開発部部長を務める生野氏により披露されました。
今回、特に時間を取って語られたのが、端末のピークパワーを最大限に引き出すための熱処理設計。小型、薄型であり、手に持って使用するスマートフォンでは、PCのように冷却ファンを搭載するのは難しい。そこで「断熱」と「伝熱」を考慮した設計が重要とのこと。
そのため「AQUOS R10」では、ヒートスポットをなくすために金属製の基板に樹脂製のスリットを設けたり、基板と金属キャビンの間に樹脂製スペーサーをはさむことで「断熱」性能を向上しています。
さらに、熱を効率よく排出するために、銅ブロックの追加、高性能放熱グリスの採用、シールドケースを熱伝導率の高い素材に変更、そのうえでSoCとメモリーの間のすき間に熱伝導率の高い「アンダーフィル材」を充填……という徹底ぶり。これらすべてを積み上げることで、「伝熱」効率を向上させているとのことです。
生野氏の技術解説のあと、アスキースマホ総研のベンチマーク結果を披露。「AnTuTu Benchmark V10」を4回連続で回しても、スコアの落ち込みが非常に小さいことがデータで示されました。また、ベンチマークを連続実行中の背面温度は、最高で約42度に留まっており、ユーザーが握っていても不快に感じるほどの熱さにはならないそうです。

「AnTuTu Benchmark V10」を4回連続で実行したときのスコアは平均1307991、最高1352493、最低1250113と落ち幅は狭いです。また、その間の背面温度も最高約42度に留まっています
幅広いユーザーが快適に
楽しく活用できるスマートフォン
プレゼンテーションのあとには、タッチアンドトライの時間が設けられました。実際に「AQUOS R10」を触って印象的なのが、やはり柔らかなデザインです。
チャコールブラック、カシミヤホワイト、トレンチベージュの3色が用意され、リアカメラは丸みを帯びたプレートに、非対称のカメラ配置で埋め込まれています。昨今のスマホはカメラの自己主張が過ぎる製品が多いですが、「AQUOS R10」は被写体に威圧感を与えないデザインと言えます。
それでいてカメラスペックは高く、アウトの標準カメラ、広角カメラ、インカメラの3基とも約5030万画素のCMOSセンサーを採用。特にアウトカメラについてはライカと共同開発しており、画質や発色も申しぶんありません。
グローバルモデルとはいえ、シャープ開発のスマホなので、おサイフケータイに対応し、IPX5・IPX8/IP6Xの防水、防塵性能、MIL-STD-810G準拠の耐衝撃性能を備えています。幅広いユーザーが快適に、楽しく活用できるスマートフォンと言えるでしょう。