【世界初】「au Starlink Direct」で衛星経由のデータ通信でXやGoogleマップが使えるように!

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

2025年08月28日 19時05分

 KDDI(au)は今日28日、「au Starlink Direct」を大幅に強化しました。従来の衛星通信の常識を覆し、スマートフォンと衛星が直接データ通信を行なう範囲をSMS以外にも広げ、さまざまなアプリが使える世界初のサービスとして今日からスタートします。

対応アプリにおいて
“世界初”の衛星データ通信が実現

 これまで「au Starlink Direct」は、日本初の衛星通信サービスとして、SMSや位置情報の送受信、さらには緊急地震速報の受信などを可能にしてきました。そして今日、SpaceX社の衛星との間で世界初となるデータ通信を開始し、大きな進化を遂げました。

冒頭のプレゼンテーションをしたKDDI 取締役 執行役員専務 パーソナル事業本部長 竹澤 浩氏

サービスの説明をしたKDDI パーソナル事業本部 マーケティング本部長 手塚 嘉一郎氏

OpenSignalで全6部門1位を取ったと自信を見せた

 これにより、GoogleマップやSNSのXといった対応アプリを通じて、データ通信も使えるようになりました。衛星電波の発射数も大幅に増強され、SMSの送信速度は従来比で4倍高速化したとのこと。利用ユーザーはすでに190万を超え、200万人も目の前だとか。

圏外エリアでの「安心・安全・便利」を革新

 本サービスの最大の魅力は、空が見える場所であれば、たとえ圏外エリアであってもネットに「つながる」こと。KDDIは日本全国の人口カバー率99.9%超を達成していますが、山岳が多い日本の複雑な地形のために面積カバー率は約60%にとどまっています。au Starlink Directは、この残る約40%をカバーし、日本全土での通信を可能にするサービスとしてスタートしました。特にその真価を発揮するのが山間部や島しょ部など、通信環境が整備されにくい場所です。

 登山アプリ「YAMAP(ヤマップ)」の代表取締役である春山慶彦氏は、山岳エリアでのデータ通信対応に「大きな可能性を感じている」と語ります。遭難や事故の際、これまでは連絡手段が限られていましたが、データ通信が可能になることで家族や友人、警察へいち早く連絡を取り、ピンポイントで位置情報を伝えられるようになります。

YAMAP 代表取締役 CEO 春山慶彦氏

 これにより、遭難のリスクが軽減され、万が一の事故の際も救助につながりやすくなり、命の危険や遺体不明のリスクが大幅に軽減されることが期待できます。また、リアルタイムでの地図ダウンロードや、山での感動体験の共有(Xへの投稿など)、そして「見守り機能」による家族への位置情報共有が即座にできるようになり、登山者の安全確保に大きく貢献します。

 さらにGoogleマップやウェザーニュース、Xといった、さまざまなジャンルのアプリ19種類がau Starlink Directに対応しました。これにより、不慣れな土地でのルート検索、リアルタイムの天気情報確認、SNSへの即時アップロードなど、圏外エリアでの利便性が飛躍的に向上します。auとしては今後、アプリ開発者向けのサポートサイトも開設し、対応アプリの拡大を支援していく方針です。

 対応端末は今日発売のGoogle Pixel 10シリーズ、そしてGalaxy Z Fold7/Flip7とまだ少ないですが、順次拡大予定となっています。また、auユーザーだけでなく、UQ mobileやpovo、他社回線のユーザーも専用プランで利用可能です。

既存プランのサービス強化や
年齢別の新プランが登場

 Starlinkのほかに、ユーザーのライフステージに合わせた料金プランも発表されました。こちらは9月1日から提供開始です。今回発表された新プランは以下の通りです。

U12バリュープラン

 12歳以下が対象の子ども向けプラン。通信速度を最大300kbpsに制御することで、動画やゲームの使いすぎを防止しつつ、保護者とのメッセージなど日常に必要なサービスはスムーズに利用できます。月額790円の「コドマモ」と、月額1100円の「auキッズラボ」が追加料金なしで利用できます。通常月額1870円ですが、各種割引適用後月額550円になります。

U16バリュープラン

 16歳以下を対象とした、データ利用量に応じて料金が変動する2段階制のプランです。3GBまでは通常月額2398円、20GBまでは4048円になります。各種割引適用後はそれぞれ月額が1078円、2728円になります。また、「au Starlink Direct」対応で、サブスクの料金からポイントが付く「サブスクぷらすポイント」も利用できます。

シニアバリュープラン

 60歳以上のシニアが対象のプランです。5GBのデータ容量に加え、5分以内の国内通話かけ放題、迷惑電話対策サービス「電話きほんパック(V)」(通常月額440円)が無料で提供されます。auじぶん銀行の円普通預金金利が年0.55%(税引後、年0.43%)となる「プレミアム金利優遇」も適用されます。通常月額は4048円、各種割引適応後は2728円になります。こちらも「au Starlink Direct」や「サブスクぷらすポイント」に対応しています。

 これら3つの新料金プランはすべて、空が見える状況であれば圏外エリアでも通信できる「au Starlink Direct」に対応し、データを多く利用したい日に24時間データ使い放題となる「データ1日放題」オプションサービスも、9月中旬以降に提供されます。こちらは1回につき550円です。

 電波が届かない場所がなくなるau Starlink Direct。登山など電波が届きにくい場所に行くなら、ぜひとも契約しておきたいサービスです。

モバイル回線でのウェザーニュース。広告をはじめ、さまざまな情報が画面を埋め尽くしている

Starlink Directの場合は、最小限の情報が表示される

Googleマップではこのような注意事項が表示される

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