楽天モバイルにオプションサービスはいろいろあるが
知識があるユーザーにとってメリットがあるものは少ない
楽天モバイルが8月に開始したオプションについても見ていこう。まずセキュリティオプション「最強保護」は、月990円でウイルス対策、ダークウェブモニタリング、サポートセンター、カード不正利用補償が含まれる。
ウイルス対策やダークウェブモニタリングは、年5000円ほどで利用できるサービスなので、サポートや限定的な不正利用補償にどれだけ価値を見出すかとなる。筆者のようなある程度デジタル機器に詳しいユーザーだと、サポートは不要で月990円の価値は感じにくい。
また通話定額では、「Rakuten Link」アプリを使った無料通話に加え、標準通話アプリで1回15分まで通話定額になる「15分(標準)通話かけ放題」(月額1100円)が以前からある。iPhoneだと標準の通話アプリを変更できないので意味がないわけではないが、一方でRakuten Linkを利用すれば無料なので、音質や通話の安定性が気になる人以外には契約の価値がどの程度あるのか少々疑問だ。
にもかかわらず「My楽天モバイル」アプリを開くと、毎回のようにこのオプション加入を促すメッセージが表示される。筆者でさえ何度か誤って加入しかけたくらいなので、実際に間違って加入してしまっている人もいるのではないだろうか。あらためて確認してみてほしい。
肝心の通信品質については一部混雑エリアで速度低下も
エリアの狭さを感じなくなってきた楽天モバイル。現在は都心部であれば完全に圏外になるケースは少なく、順調に使える印象だ。ただし場所によっては速度低下が見られる。特に地下鉄での速度低下は改善途中という印象だ。
また、地上でも一部ターミナル駅周辺などの混雑エリアで速度が低下することがある。たとえば、東京・銀座周辺で夕方に測定したところ、下り8.63Mbpsまで落ちたが、場所を少し移動すると70Mbps以上に復活した。
これはユーザーが増加した結果、1つの基地局に利用者が多く集まり、帯域を取り合っているためと考えられる。少し移動すれば速度が戻ることからもそれが裏付けられる。
筆者の生活圏ではこうした極端な速度低下はないが、都心部中心に移動をしているような人の場合、致命的な問題となる可能性もある。今後さらにユーザー数が増えれば、基地局への投資がなされないかぎり、新たな速度低下スポットが生まれる可能性は考えられる。
安さで選ぶならシンプルに「Rakuten最強プラン」
オプションは最小限で良さそう
通信品質に多少のリスクがあるのは確かで、新プランやオプションが微妙なこともあり、シンプルな「Rakuten最強プラン」を選び、オプションは最小限に抑えて利用するのが賢い選択だと筆者は考えている。
なお、SNSなどで「楽天モバイル」と検索すると、楽天社員を名乗る人物のnoteやブログが多数ヒットするが、立場上デメリットについて触れていないケースが多い。情報は発信者の背景を確認したうえで参考にすべきだ。
このように書くとリスクが目立つが、活用方法次第でコスパに優れたサービスであるのは間違いない。楽天モバイルを上手に使ってみてほしい。