au 5G Fast Laneの実力をフェス会場でチェック 結果は4キャリア中で圧勝! (1/2)

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

2025年09月01日 12時30分

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 auは2022年から通信と音楽の力を活用し、全国の音楽フェスに寄り添う「auフェスプロジェクト」を展開しています。プロジェクト開始以来、24の音楽フェスをサポートしており、2025年度も対象フェスを拡大中です。

 以前もサマーソニックでのauブースを取材しましたが(通信のチカラでもっと楽しく! フジロックやサマソニにauがブース出展し続ける理由)、今回は山中湖湖畔で開催されている邦楽メインのフェス「Sweet Love Shower 2025」におけるauの取り組みをレポートします。ちなみに、この日のヘッドライナーは今一番勢いのあるバンド「Mrs. GREEN APPLE」でした。

フェス会場でau 5G Fast Laneを体験!
他キャリアとの比較もブッチギリの結果に

 まずは今回の主目的とも言える、auが最近始めたサービス「au 5G Fast Lane」の速度チェックから。au 5G Fast Laneとは対応の料金プラン(au バリューリンクプランや使い放題MAX+ 5Gなど )に加え、5G SAを契約している人に専用の帯域が割り当てられるサービスで、通常のモバイル回線よりも通信速度が速いとされています。どれくらい速いのか気になるところですが……。

 計測場所は人が多く集まるメインステージの横で、熱心なファンが多く集まるマキシマム ザ ホルモンの直前というモバイル回線に厳しい時間です。

次のマキシマム ザ ホルモンを楽しみにしている、はらぺこさん(ホルモンファンの総称)が集結してきました

au 5G Fast Laneはなんと下り222Mbpsを記録! 右側は通常のau回線。これはこれで結構速度が出ています

左からドコモ、ソフトバンク、楽天モバイル。ダウンロードはドコモが頑張っていますが、アップロードはいずれも非常に苦しそうです

 結果としてはau 5G Fast Laneの圧勝で、次いでノーマルなau回線。楽天モバイルは移動基地局が1台だったせいか、非常に厳しい結果となりました。

Sweet Love Shower 2025におけるトラフィック対策
昨年から2倍の帯域、1.6倍の通信速度に

 Sweet Love Shower 2025での主な取り組みを、auフェスプロジェクト担当のKDDI パーソナル事業本部 マーケティング本部 マーケティング企画部 統括グループ 小松高久氏と、SWEET LOVE SHOWER運営担当のスペースシャワーエンタテインメントプロデューシング プロデュース事業本部 アライアンス事業部 プロデュース1課 三並寛知氏にお聞きしました。

 まずは通信環境の強化から。フェス会場での通信の安定性と速度は、参加者の体験を大きく左右します。auは最先端の技術を投入し、混雑時でも快適な通信を実現しています。それは最新車載型基地局の導入です。今年度から使われているDB-MMU(DualBand Massive MIMO)対応の最新車載型基地局(移動基地局)を2台設置し、昨年度までのSingle Band-MMUから進化しました。

この移動基地局が2台設置されています

下側の四角いほうがDB-MMU

 DB-MMUは、KDDIが持つサブ6の2つの周波数(サブ6で2つの周波数を持つのはドコモとKDDIだけ)を同時に活用することで(キャリアアグリゲーション)、通信速度を1.6倍に向上させるといった効果が実証されています(2024年7月の阪神甲子園球場での実証結果)。これにより、混雑エリアでも安定した高速通信が実現されます。同じ場所にたくさんの人が集まるフェスでも、通信が途切れたり速度が遅くなったりすることなくスマホが使えるので、最近のフェスでは欠かせません。

 なお、DB-MMUは大阪万博の基地局を皮切りに、フジロックやコミックマーケット、そしてSweet Love Showerといった大型フェスに順次導入されており、auの新しい「武器」となっています。従来の装置と比較して小型軽量化もされており(サイズ約2割、重量約4割削減)、設置効率も向上しています。また、コストも上がっていないとのことです。

 また、移動基地局はただ置いてあるだけではありません。会場の地形が「すり鉢状」であることを考慮し、ほかの通信事業者よりも会場に近いエリアに、地主から敷地を賃借して基地局を設置しています。これは、より会場の中心を狙い、ほかの場所では電波対策が不十分になる可能性があると判断されたためです。他社(ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイル)は同じ駐車場内に設置しています。ドコモ、ソフトバンクも2台設置しており、楽天モバイルは1台でした。

 フェスに限らず、最近のイベントはチケットレス、キャッシュレス化が進んでおり、このSweet Love Shower 2025でも紙のチケットは一部だけで基本的にはQRコードです。フェス内のお店も現金は使えますがすべてキャッシュレスに対応しています。もし通信が圏外だったり不安定だったりすると、入場ゲートで入れない人やフェスメシを食べたいのに支払いができないという人が続出してしまいます。これではフェス側にもお客さんにとっても不幸でしかありません。なので、各キャリアはイベント対策を重視しているのです。

 ちなみにSweet Love Shower 2025におけるキャッシュレス利用者は6~7割と、非常に大きくなっています。スマホに慣れている若い人が多いフェスというのも関係しているでしょう。

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