新型iPhoneが発表されたが、10万円以上の価格が当たり前に感じてしまう昨今、価格的にはその対極にある1万円台で入手できる“全部入り”のエントリー機、サムスン「Galaxy A25 5G」を購入。どのくらい使えるかを試した。
これはシニア向けモデル?
防水防塵にFeliCaまで、最安クラスの全部入りスマホ
Galaxy A25 5Gについてあらためておさらいしておくと、今年2月に発売、プロセッサにMediaTek「Dimensity 6100+」、メモリーは4GB、ストレージは64GBと、最近ではローエンドとも言っていい性能だ。なお、公式オンラインストアでのSIMフリー版の価格は2万9900円とギリギリ2万円台。
Galaxy Aシリーズの20番台のモデルは従来は比較的コンパクトな筐体だったが、一転して大画面。6.7型液晶を搭載し、画面解像度は720×1600。本体サイズもかなり大きい。約210gと重量級だ。内容的にはシニア層に振った仕様と言える。
一方で、防水防塵はIP68に対応。FeliCa/NFCに対応してマイナンバーカード関係もしっかり対応するなど、いわゆる全部入りだ。
ネットワーク面では5G対応で、ドコモでも販売されているだけに、ドコモだけが利用する4.5GHz帯のn79もサポートする。ちなみにauやソフトバンクが販売する製品でもn79を含めて、対応バンドに違いはない。
ディスプレーのリフレッシュレートが60Hzまでだったり、Wi-Fi 5までの対応など微妙な点もあるが、このクラスのスマートフォンを使う上で大きな不満はない。スピーカーもモノラルだが、最近多い縦画面動画を見ているぶんには気にならない。まさに日常利用には困らない程度の割り切った仕様と言える。
moto g66j 5Gが同じクラスの全部入りで性能は若干上だが
こっちはキャリア版がさらに安く入手できる
安価な“全部入り”スマホというと、本連載でも過去に紹介したモトローラ「moto g66j 5G」が真っ先に思いつく。防水、FeliCa、5G、eSIM対応とGalaxy A25 5Gと同様に必要な機能は揃っていて、新品を普通に買えば3万円前後と価格帯でもぶつかっている。
moto g66j 5Gの方が若干プロセッサの性能が上で、メモリーも8GBとGalaxy A25 5Gの倍。パフォーマンスを求めるなら断然moto g66j 5Gだろう。画面サイズはともに6.7型だが、解像度やリフレッシュレートでもmoto g66j 5Gが上。
それでも、Galaxy A25 5Gが勝る点もある。先ほど紹介したn79への対応がドコモ系のSIMで使う場合に有利。また、キャリア販売モデルの中古が安価で多く市場に出回っている点だ。
3大キャリアとUQ mobile、Y!mobileでは新規加入時などに一括1円で販売されることもあり、大量に中古店に出回っている。未使用品でも1万5000円以下で購入できる状態となっている。
アプリをたくさん入れる人だとストレージ64GBは苦しいかも
実際に使い始めてみると、性能的には少し苦しい部分がある。ミドルハイ以上のプロセッサ、8GB以上のメモリーを搭載する機種から乗り換えるともっさり感は否めない。特に使用開始直後に、アプリの大量更新がかかると、さらにレスポンスが悪くなる。
それでも各種更新などが終わり、一度アプリを立ち上げて動画視聴を開始すると動作の遅さなどはさほど気にならなくなる。むしろ大きな画面でゆったりと利用できる。縦画面で使ってるぶんにはスピーカーがモノラルである点もまったく気にならない。
どちらかと言えば問題はストレージ容量。普段使っているスマートフォンからアプリと多少の写真を転送してみたところ、64GBのストレージの残りは早くも20GB程度。
64GBストレージ搭載と言っても、ユーザーが使えるのは最初から40GBを少し超えるくらいだ。アプリを多く入れる人、写真や動画をたくさん撮る人は苦しい可能性がある。アプリは時間とともにサイズが大きくなる傾向があるため、長く使うことを想定すると余計に容量が気になる。ただ、Galaxy A25 5GはmicroSDカードの追加に対応しているため、写真や動画はそちらに記録する手もある。