FCNTのarrowsシリーズと言えば、最近はエントリークラスの製品が中心でしたが、arrows AlphaはCPU、カメラ、ディスプレーいずれもミドルハイクラスの性能を持ちます。
具体的にはCPUにはAntutu 130万点台のMediaTek「Dimensity 8350 Extreme」、ディスプレーは144Hz対応のLTPO技術を用いた6.4型有機EL、メモリーは12GB、ストレージは512GB(microSD追加対応)、5000mAhバッテリー、カメラは標準と超広角の両方が50メガで、標準カメラのセンサーサイズは1/1.5型と、高コスパが自慢の海外メーカー製端末と互角に争える内容です。
その一方で、日本メーカー製端末らしく、IP69の防水防塵にアルコールシートやハンドソープでの洗浄に対応。MIL規格準拠の耐衝撃性能、FeliCa対応、自律神経計測機能も装備するなど、機能面でも充実しています。
arrows Alphaを使う3つのメリット
ポイント(1)機能もコスパも充実、でも持ちやすい日本サイズ
arrows Alphaは上で紹介したように、高いスペックを持つミドルハイ機でありながら、横幅約72mmと、片手操作しやすいサイズ感が絶妙です。これは日本のユーザーの手の大きさや、満員電車の中でも片手で操作したいといったシーンに合わせた設計だそう。最先端の性能を盛り込みつつ、持ちやすさも妥協していないわけです。
arrows Alphaのような高い性能を持つ海外メーカー製端末だと、もう1回り以上大きい製品が一般的ですが、本機であれば“大きすぎて使いづらい”ことはなく、手になじむ1台です。
ポイント(2)スペック・価格の壁を突破、Antutu 130万点台でカメラも優秀
従来の日本メーカー製スマホは、スマホメーカーとしての規模の差や、日本のユーザー向けに(比較的市場規模が小さい)製品を作るためか、使い勝手面では優れていても、性能やコスパでやや見劣りする印象がありました。
しかし、arrows Alphaはその壁を突破した印象があります。価格は8万円台と比較的お手頃なのにもかかわらず、Antutuで130万点台のスコアをマークするなど、ゲームを楽しむのにも十分な性能。カメラについても、約5030万画素でミドルクラスとしては比較的大型の1/1.5型センサーを搭載。光学式手ぶれ補正や、AIによる処理なども相まって、実際の写真も海外勢に対抗できる仕上がりです。
ポイント(3)日本メーカー伝統の安心感と独自機能が満載
arrowsシリーズならではの頑丈さや特徴的な機能も健在です。高さ1.5mからのマルチ方向落下試験や、MIL規格23項目準拠の各種耐久テストをクリア。ハンドソープやアルコールシートで洗浄できるのも、引き続き日本のユーザーには需要が高い要素です。
本体右側面の電源ボタンには、arrowsユーザーに人気があるExlider(スライド操作によるスクロールが可能)機能が内蔵されているなど便利な工夫も盛りだくさん。日本生まれの“気配り”を感じる作りです。
購入時に注意するべき側面
ポイント(1)デザインがやや無難、カラバリは2色のみ
コスパや性能の高さでは、日本メーカーの“常識”を突破することに成功した感があるarrows Alphaですが、カラバリは白と黒の2色展開で、良くも悪くも無難。
個性や華やかさが欲しい人にはやや物足りないものの、「どんなシーンでも使いやすい」「年齢・性別を問わず持てる」とも言えます。安心感のあるデザインという評価もあるでしょう。ただ、外観から受ける印象では、「日本のメーカーのスマホ」という枠から飛び出していないように見えるのは確かです。
ポイント(2)“盛りだくさん”すぎる? 使いこなすには選択も必要
自律神経測定機能など、独自性の強い機能が多数搭載されているarrows Alphaですが、正直「ここまで必要?」と感じる部分はありました。端末の多彩な機能が“取捨選択”できるのはarrowsシリーズの良さ。ユーザー自身が自分の生活スタイルに合わせてカスタマイズできる、自由度が高いと考えることもできますが、取捨選択を面倒に感じるユーザーもいるかもしれません。