このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

新生FCNTの“本気”を感じる8万円台ハイエンド「arrows Alpha」がかなりイイ! (2/2)

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

2025年10月05日 12時00分

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高画素デュアルカメラで夜景もきれいに撮れる

 リアカメラは広角(約5030万画素/F値1.88)+超広角(約4990万画素/F値2.05)の2眼。広角カメラには1/1.5型と、この価格帯のスマホとしては大きめの画像センサーが採用されている。望遠カメラは搭載されていないが、広角カメラのセンサーの中心で捉えた画像を切り出す仕組みで、光学2倍ズーム相当の画質でも撮影可能。デジタルズームは最大10倍までズームアップできる。

超広角(0.5倍)で撮影。明るく鮮やかな色で写った

広角(1倍)で撮影。超広角よりも色味がナチュラル

広角(2倍)もロスレスで撮影可能

 撮影画質はナチュラルというよりは、やや鮮やかさやコントラストが強調され、ダイナミックな写真に仕上がる印象。AIはカメラにも導入されており、その効果によるものだろう。低照度での性能も向上したようで、夕景や夜景もきれいに写った。“映え”を重視する人に向いているだろう。ただし、照明環境や色味にもよるが、料理の写真は今一歩と感じることもあった。

夕景もきれいに写った

夜景はほどよい明るさでシャープな画質に

料理はナチュラルな色で写るが、もう少し鮮やかに写るといいなぁと思うこともあった

 おもしろかったのは、新たに搭載された「アクションショット」。動きの速い被写体を撮りたいときに役立つ機能で、シャッタースピードを速くして連続撮影される画像の中から最適なショットが記録される仕組みだ。シャッタースピードを速くすると画像が暗くなるはずだが、しっかり明るさは維持される。

 筆者は愛犬を撮るときに重宝したが、子どもの運動会、各種イベントの撮影OKタイムなど、結構役立つ場面は多そうだ。

「アクションショット」は、右下の走る人のアイコンをタップするだけで起動できる

アクションショットで撮影した作例。通常の撮影ではブレてしまう動きも明瞭に捉えることができた

 フロントカメラも約4990万画素で、F値が2.0とハイスペック。シングルカメラだが画角を2段階で切り替えられるので、複数人でのセルフィーも撮りやすい。背景をぼかすポートレートモードや、手動で調整できるビューティー機能も備えている。

自律神経パワー測定など、ヘルスケア機能も充実

 昨年、「arrows We2 Plus」に初搭載されて注目を集めた、自律神経パワーを測定する機能も搭載されている。背面の脈波センサーに指を当てて、2分間じっとしているだけで測定でき、結果は年齢で表示される。状態が良いと実年齢よりも若く、不安定なときは実年齢よりも高く表示される。

自律神経パワーは背面カメラの下に搭載されたセンサーに人差し指を当てて測定する

測定結果の画面例

 個人的には2分は長く感じたのだが、初期設定は「クイック設定」で、精度を重視するなら4分の「高精度測定」に切り替えるのが望ましいらしい。

精度の高い測定モードに切り替えることも可能

 自律神経パワーは、プリインストールされている「ララしあコネクト」アプリから起動して測定する。同アプリには、歩数、心拍数、睡眠を測定する機能があり、血圧値を記録することもできる。筆者は、スマートウォッチを使っているので必要性を感じなかったが、スマホに搭載されるヘルスケア機能としては最も充実しているかと思う。

ヘルスケアデータを管理する「ララしあコネクト」アプリをプリイン

枕元に置くだけで睡眠が測定される機能も搭載。血圧値を管理できる機能もある。血圧計の表示をカメラで読み取って入力できるのが便利

電池持ちや耐久性にもアドバンテージ

 SoCはMediaTekの「Dimensity 8350 Extreme」。最大3.35GHzのオクタコアチップで、arrowsとしては史上最高性能とのこと。Dimensityには、さらに高性能な9000シリーズがあるので、ハイエンドとは言え、ミドルハイに近い性能と捉えることもできる。

 しかし、実際に使っていて、動作性にも不満を感じることはなく、普段、ほぼハイエンドしか使っていない筆者でもストレスを感じることはまったくなかった。メモリーは12GBで、最大12GB(合計24GB)の仮想メモリーを追加することもできる。

「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定した結果。ミドルレンジとハイエンドの中間、ミドルハイ相当と評価するのが妥当だろう

仮想メモリーは最大12GBを追加可能。初期設定は「AI自動」になっている

 バッテリーは5000mAhで、使い方にもよるが、満充電しておけば2日持たせることは難しくなさそうだ。90Wの急速充電に対応し、充電器も同梱されている。FCNTによると「1%の状態から100%まで約35分で充電できる」そうだ。

 筆者が残量0%から充電してみたところ、42分で100%に達した。ただし、充電時のバッテリーへの負荷を減らし、電池を長持ちさせる機能があるので、それを使うのが賢明と言える。

90Wの急速充電器を同梱。スピーディーに充電できる

電池を長持ちさせる設定にもできる

 他社製品に勝る優位性として、耐久性を向上させたこともアピールしている。耐久性はMIL規格の23項目に準拠した試験を実施し、1.5mの高さからコンクリートに落下させるといった独自試験も実施。防水は、一般的かつ “それで十分” と思えるIPX8だけでなく、IPX6とIPX9にも対応。約3mの距離から噴流を当てても、80度の高温・高水圧・スチームジェット洗浄にも耐え得るというレベルに達している。

【まとめ】初めてのハイエンドとして最適

 arrows Alphaは、片手でもサイズ感で、丈夫で電池持ちもよく、カメラの画質も満足できるレベル。Exliderや、ロック画面から起動できる「FASTメモ」や、お気に入りのアプリを素早く起動できる「スライドイン」、ホーム画面に表示されるアプリや通知を隠せる「プライバシーモード」など、arrowsユーザーにおなじみの機能も継承されている。

arrows独自の便利機能は「設定」→「arrowsオススメ機能」で確認でき、使ってみたい機能の設定に進める

 使っていて「足りない」「不便」と感じることはなく、おそらく多くの人は満足できるはずだ。しかし、プロセッサーが最上位ではなかったり、デザインが落ち着いた印象だったり、先進性を重視する人には刺さらないかもしれない。これまでミドルレンジを使っていて、ワンランク上の体験をしたい人には格好の選択肢となるだろう。

FCNT「arrows Alpha」の主なスペック
ディスプレー 6.4型有機EL 144Hz対応
画面解像度 1200×2670
サイズ 約72×156×8.8mm
重量 約188g
CPU MediaTek Dimensity 8350 Extream
3.35GHz(8コア)
メモリー 12GB
ストレージ 512GB
外部ストレージ microSD(最大2TB)
OS Android 15
対応バンド 5G NR:n1/3/28/38/40/41/77/78/79
LTE:1/2/3/4/5/8/12
/18/19/21/28/38/39/41/42
W-CDMA:1/5
4バンドGSM
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ画素数 5030万画素(広角、OIS)
+4990万画素(超広角)
イン:4990万画素
バッテリー容量 5000mAh(90W対応)
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IP69)
生体認証 側面指紋+顔
SIM形状 nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
カラバリ ブラック、ホワイト
価格(SIMフリー) 8万4800(IIJmio)

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