【どっちが買い?】Apple Watchと「Google Pixel Watch 4」を比べて良いところを検証 (1/3)

文●山本 敦 編集●ASCII

2025年10月09日 02時00分

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Geminiを搭載するスマートウォッチ「Google Pixel Watch 4」の実機をレポートします

 グーグルが最新のスマートウォッチ「Google Pixel Watch 4」を今日9日に発売します。機能性を増したデザイン、長持ちするバッテリー、そしてAIアシスタントGeminiの搭載など注目すべき進化を実機でレポートします。

スマートウォッチとして洗練されたデザイン

 今年のPixel Watchも45mmと41mmの2サイズ展開です。筆者は今回、大きい方の45mmのモデルを試用しています。カラーバリエーションはホワイト系のポーセレン。ケースは光沢加工を施した航空宇宙産業レベルのアルミニウムで、色はシルバーです。

45mmのケースは光沢加工のアルミニウム製

リューズとサイドボタンを搭載。付属する充電器の形状がまた新しく変わりました

 前世代のPixel Watch 3からディスプレイが大きく変わりました。新しいActua 360ドーム型ディスプレイは“水の表面張力”から発想を得て、表面が緩やかに湾曲した形状になっています。カバーガラスとOLEDディスプレイの両方を湾曲させて、表示領域を10パーセント拡大しました。ディスプレイを横からのぞき込むと、時刻表示やアイコンが少し斜めに正面を向いているように感じられます。

左がWatch 4。右のWatch 3に比べると画面が緩やかにカーブした形状であることがわかります

 ディスプレイのピーク輝度性能も2000ニトから3000ニトに上がり、明るい屋外でも良好な視認性が得られます。反対に「明るさの自動調節」をオンにすると、ウォッチを着けて暗い場所に移動したときに1ニトまで明るさを下げて、ディスプレイが消費する電力を抑えます。

屋外で撮影。右側のWatch 4の方がピーク輝度性能が1000ニト上がって、明るい場所で画面が見やすくなりました

 ケースを含むウォッチ本体の厚みは0.4mm前後、新しいPixel Watch 4の方が厚くなっていました。だからと言って装着感が大きく変わる印象はありません。

 新ユーザーインターフェースの「Material 3 Expressive」により、画面を下にスワイプして表示するクイック設定パネルや、画面の左右スワイプで切り替えるタイルの画面が見やすくなり、操作性もアップしています。新しいウォッチフェイスも追加されました。

カラフルでアイコンのサイズも大きくなった新しい「Material 3 Expressive」デザインを採用。旧機種にもロールアウトを予定しています

フル充電から40時間前後バッテリーが持つ

 SoCはクアルコムがウェアラブルデバイス向けに開発するSnapdragon W5 Gen 2にアップデートされています。前世代のモデルはW5 Gen 1でした。省電力動作の制御、AI機械学習処理などを主に担うArmのIoT向けマイクロコントローラーは、Cortex-M33から新しいCortex-M55に強化されています。

 高効率なチップセットと、リフレッシュレートを1Hzから最大60Hzまで可変させるActua 360ドーム型ディスプレイ、そして大型バッテリーを載せたことで、1度のフル充電から続けて駆動できる時間が大幅に伸びています。

 同じ45mmのモデルを比べると、常に表示状態のディスプレイでWatch 3は最大24時間使用可能でしたが、Watch 4は公称スペックで最大40時間までバッテリーが持ちます。筆者も実機で試しましたが、フル充電の状態から1日半ぐらいはバッテリーの残量を気にせずに使えました。

Watch 4はバッテリーの持ちがとても良くなった印象を受けます。バッテリーセーバーモードを併用すれば、フル充電の状態から丸2日間は追加のチャージが不要でした

 残量がピンチになった時は、バッテリーセーバーモードが併用できます。そして高速充電に対応する専用の充電器は、15分のチャージで15時間ぶんのバッテリーを満たせます。Pixel Watch 4は充電器がWatch 3から変わり、前機種の充電器は使えません。

自動アクティビティ検知に対応はしているが……

 Pixel Watchのアクティビティトラッキングの機能は、Fitbitアプリと連携して動作します。ワークアウトを行なう時に役立つ、自動アクティビティ検知が最新のWatch 4で使いやすくなったようなので、試してみました。

 グーグルの説明によると、自動アクティビティ検知が対応する種目はランニング/ウォーキング/サイクリング/フィットネスバイク/エリプティカル/ローイングマシンなどで、ワークアウトを始めてから15分後に自動計測が始まり、終了後1時間の間に記録を止め忘れていると通知が届きます。筆者もランニングとウォーキングで試しましたが、だいたいグーグルの説明通りでした。

Fitbitアプリがワークアウトを自動検知して、記録の開始・終了を提案してくれます

ワークアウトの終了検知が約1時間後と少し長めに設定されていることが気になりました

 筆者はふだんApple Watchを使っているので、自動アクティビティ検知の開始と終了がもう少し早いタイミングで来てほしいと感じました。Apple Watchならば5~10分後ぐらいに「これ、記録に付けとこうか?」と通知してくれます。

 たとえば、駅まで10分間のウォーキングもワークアウトとして記録できるので、筆者のように、普段はソフトなワークアウトしかしていないスマートウォッチユーザーの励みになります。計測の終了の通知もApple Watchは数分以内に飛んできます。

 Fitbitアプリの設定項目を探してみても、自動アクティビティ検知のタイミングを調整できる項目は見当たりません。グーグルの機能紹介によると、ユーザーが使い込みながらフィードバックを返すほどにアクティビティ通知の精度が高まるそうです。Pixel Watch 4を長く使用するとまた印象が変わるかもしれません。

Pixel Watch上でのアクティビティ記録を忘れてしまっても、Fitbitアプリが忘れていたアクティビティの記録を後から残せるように提案してくれるところが、アップル側にはないグーグル側の良いところです

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