睡眠トラッキングをApple Watchと比べた
Pixel Watch 4による睡眠トラッキングも、Apple Watch Series 11と比較してみました。
計測完了後のデータをFitbitアプリと、iOSのヘルスケアアプリで比べてみました。睡眠の深さを示すグラフは両者の間に大きなズレはなく、ほぼ同じ形です。眠った「長さ」は日によってそれぞれのウォッチの結果にバラツキが生じました。左右の手首に1台ずつ装着して眠っていたので、装着状態などによる影響を受けたのかもしれません。
睡眠中の身体の動きと心拍変動から導き出す「睡眠スコア」はPixel WatchとApple Watch、どちらのウォッチでも計測可能です。ただし、指標が異なっています。
Pixel Watchは睡眠時間が50点満点、睡眠ステージの時間(深い睡眠とレム睡眠)が25点満点、そして回復が25点満点です。
回復とは「ユーザーの身体がどれだけ回復できているか=その日の活動に適しているか」を数値化して示すFitbitアプリ独自の指標です。Fitbitアプリには、Pixel Watchで計測した回復のバランスを「今日のエナジースコア」として、1~100の範囲の点数を提示してくれる機能もあります。
睡眠や心拍の記録の読み方をFitibitなりに解釈したユニークな機能ですが、筆者のまわりではヨガやピラティスを日々実践している方に好評、あるいは注目されています。睡眠スコアが健康状態を観察するための機能だとすれば、エナジースコアは健康状態の維持・増進に役立つ指標として、これを求める方々に刺さっているようです。
話題を睡眠スコアの計測に戻します。Apple Watchの睡眠スコアは少し見せ方がPixel Watchと異なっています。睡眠時間が50点満点、就寝時刻が30点満点、そして睡眠の中断が20点満点という内訳です。
Apple Watchの場合、ヘルスケアアプリ上で睡眠スコアの変質を継続的に観測したり、睡眠のデータを心拍数・呼吸数・手首皮膚温の記録とクロスさせて、睡眠時無呼吸症候群の傾向を「呼吸の乱れ」のデータと照らし合わせて確認することなどもできます。
アップルはヘルスケアアプリに記録したデータに余計な脚色をせず、ユーザーに提示することを以前から徹底しています。watchOS 26の睡眠スコアでトラッキングの記録を“採点”したことは、ある意味で画期的な変化でした。
一方、グーグルのFitbitアプリも基本的には記録したデータをそのままユーザーに見せていますが、たとえば睡眠トラッキングのデータには「ベンチマーク」という機能が付きます。「ユーザーと同様の人の通常範囲」という指標を提示することで、ユーザーの睡眠クオリティの良し悪しを他人と比較して見ることができます。
それぞれのウォッチによるアクティビティや睡眠の計測データの見え方については好みが分かれるかもしれませんが、Fitbitアプリの方が「今日のエナジースコア」をはじめ、ユーザーが楽しみながら結果を確認し、計測を継続できるように「世話を焼いてくれる」ところに特徴があると感じます。