グーグルが10月9日に新しいフォルダブルスマホ、Google Pixel 10 Pro Foldを発売しました。ストレートタイプの大画面モデルであるGoogle Pixel 10 Pro XLと比べながら、2週間ほど試したインプレッションをレポートします。
6.4型と8型、どちらも視認性の高いディスプレー
Google Pixel 10 Pro XL(以下、10 Pro XL)は6.8型の有機EL Super Actua ディスプレーを採用するスマホです。価格は19万2900円から。Google Pixel 10 Pro Fold(以下、10 Pro Fold)は内側の大きな画面が、正方形に近い8型の有機EL Super Actua Flexディスプレー。価格は26万7500円から。
ディスプレーの最大輝度は1800ニトと、10 Pro XLの2200ニトより少し数値は低いものの、屋外の明るい場所でも快適な視認性が得られます。1~120Hzの可変リフレッシュレート表示に対応しているので、ウェブページや電子書籍のスクロール表示もスムーズです。
筆者は2023年モデルのGoogle Pixel Fold以来、久しぶりにPixelのフォルダブルスマホを使用しました。5.8型でアスペクト比が17.4:9という、文庫本のようなスタイルの初代Foldの外側ディスプレーは使っていて特別感と、同時に違和感もありました。
比べると10 Pro Foldの外側6.4型のディスプレーは、アスペクト比が20:9。6.3型のPixel 10 Proと同じ感覚で使えるので心地よいです。YouTubeのコンテンツは外側ディスプレーで気軽に見て、アニメやドラマはNetflixやAmazonプライムビデオを起動して、内側ディスプレーでのめり込むという使い分けを楽しみました。
外側ディスプレーの方が最大輝度が2000ニトと内側ディスプレーよりも少しだけハイスペックですが、画面の視認性の高さは内外で大きく変わる印象はありません。
10 Pro Foldが採用するギアレスヒンジは開閉動作がとてもスムーズです。閉じた状態でふたつの筐体がほぼピタリと重なり合い、金属ヒンジの背中が美しく映えます。海外のYouTuberが実施した、本機の耐久性テストの結果が話題となっているようですが、常識的な範囲で使う分には本機が壊れやすいフォルダブルスマホだとは思えませんでした。
内側ディスプレーの表示互換性は改善されたのか
内側8型のディスプレーは、ちょうど6型台のスマホを2台横に並べたようなサイズ感です。2つのアプリを同時に起動しながら、グーグル純正のフォトとGmailのように、ファイルのドラッグ&ドロップに対応するアプリもあります。ウェブ検索をしながらメッセージを入力したり、マルチタスクが心地よくこなせるところは横開きフォルダブルスマホの醍醐味であると実感します。
初代のPixel Foldは本体を横向きにして画面を開き、テーブルに置いた状態で動画コンテンツなどを再生するビューワーモードにすると、背面カメラユニットの重さで後に倒れがちでした。新しい10 Pro Foldは比重のバランスが向上して、ビューワーモードがより安定します。
このスタイルでYouTubeのコンテンツを再生すると、上半分の画面に動画を表示して、下半分はコントローラーになります。Netflixアプリの場合は上半分が動画、下半分はブラックアウトして何も表示されません。常時コントローラーが表示されるのは便利な反面、邪魔にも感じるかもしれません。YouTubeでもコントローラー表示をオフにできれば本当はベターです。
なお、Amazonプライムビデオはビューワーモードでの視聴に最適化されておらず、折り目の真ん中にコンテンツが表示されてしまいます。
アプリ表示の最適化については、初代のPixel Foldが発売されたばかりの頃に比べるとだいぶ改善された手応えがあります。ただ、電子書籍のアプリサービスにはまだバラツキがあるようです。
中でもAmazon Kindleアプリの対応が遅れているようで、テキスト中心の書籍は上下に、漫画や写真集は左右に太いオビが表示されて、スペースの無駄遣いが気になります。コミックシーモアの漫画は左右の画面に1ページずつ表示されるので、やはりアプリごとの対応を待つほかなさそうです。


































