このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

Pixelの大画面はどちらが正解? Pixel 10 Pro XLと10 Pro Foldを比較レビュー (2/2)

文●山本 敦 編集●ASCII

2025年10月26日 12時00分

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ほかの10 Proシリーズと性能・機能が違うFoldのカメラ

 10 Pro Foldは価格が26万円を超える高価なスマホです。Proシリーズを名乗るだけにカメラは性能・機能ともに充実しています。ただ、気をつけたい点は、カメラのパフォーマンスはほかの10 Proシリーズの方が上であることです。

トリプルレンズカメラを搭載するPixel 10 Pro Fold。カメラバンプの形状がPixel 10 Pro XLと異なっています

 たとえば背面のメインカメラは、10 Pro/10 Pro XLが広角カメラが50MP、望遠と超広角は48MPのセンサーを積んでいるのに対して、10 Pro Foldは広角カメラが48MP、望遠と超広角は10MP台という差があります。

 最大100倍の「超解像ズーム Pro」や、動画ブーストを使った8Kビデオ撮影の機能は10 Pro Foldにはありません。プロ設定から50メガピクセルの撮影モードが選べるのも10 Pro/10 Pro XLの方に限られます。

 もっとも、これらの特殊なカメラ機能が要らないという方には、10 Pro Foldのカメラで不自由を感じないでしょう。光学5倍ズーム写真の画質は良好。筆者が仕事で製品の端子部分などを撮影をする時によく使うマクロフォーカスも完備です。

Pixel 10 Pro Foldのマクロフォーカス機能で撮影したカツオのわら焼き。自然な色合いに整います

Pixel 10 Pro Foldの10.8メガ望遠カメラによる光学ズーム5倍撮影の写真をリサイズ

Pixel 10 Pro XLのプロ設定から50MPのハイレゾモードを選択。48MP望遠カメラで光学スーム5倍撮影した写真をリサイズ。緑のテクスチャ、ビルの窓枠の輪郭などディティールに差が現れます

 10 Pro Foldは背面カメラバンプが、10 Pro/10 Pro XLの横長なバータイプと違うスクウェアデザインです。張り出しはそれなりにありますが、グーグル純正のケースを装着すると目立たちにくくなり、テーブルの上に平置きした時に斜めになりません。筆者はケースを着けて使うことをおすすめします。

ペン入力にも対応してほしかった

 10 Pro Foldについて、不満が残る点はスタイラスペンによる手書きに対応していないことです。筆者は取材の時に10 Pro Foldをノート代わりにしてメモを取りたいと思っています。内側のディスプレーにKeepメモなどの手書き入力に対応するアプリを立ち上げて、一般的なシリコンタッチペンによる書き込みもできるのですが、10 Pro Foldのディスプレーがパームリジェクションに対応していないため書きづらいのです。ペンを垂直に立てながら、手のひらを画面に触れないように注意して書かなければなりません。

シリコンタッチペンによる筆記は可能ですが、画面側にパームリジェクションの機能がないため、ペンを立てて書く必要があります

 サムスンのGalaxy Z Fold7も「ユーザーの声」を聞いた結果、Sペンに非対応となってしまいました。もしかすると筆者のようにフォルダブルスマホでスタイラスペンを使いたいユーザーは少数派なのかもしれませんが、Galaxyと入れ替わりでPixel Foldシリーズが快適なペン入力に対応してくれることを願うばかりです。

本体はIP68等級の防塵・防水対応。普段は6型台のストレートタイプのスマホのように軽快にハンドリングできるところがPixel 10 Pro Foldの魅力です

 動画や電子書籍をできる限り大きなディスプレーで見たり、ペン入力への対応などを考慮すれば「スマホとタブレットの2台持ち」もまたスマートな選択のように思います。でも、10 Pro Foldのようにスリムでポータビリティーの良いフォルダブルスマホを体験してしまうと、普段は折りたたんでコンパクトになり、開くとタブレット的な使い方ができる2ウェイ仕様なデバイスの優位性をあらためて実感します。

 大きな画面のPixelスマホとしての成熟度で言えば、6.8型の10 Pro XLに軍配が上がるかもしれませんが、先進性を強く感じさせてくれるスマホは10 Pro Foldです。

 あとは26万円を超える価格が壁です。Google Pixelシリーズが今よりもっと普及拡大を実現した先に、グーグルがより廉価なPixel aシリーズのフォルダブルスマホを商品化してくれることを期待しています。

グーグル「Google Pixel 10 Pro Fold」の主なスペック
価格 26万7500円(256)
28万7500円(512)
ディスプレー 6.4型有機EL 60~120Hz対応
8型有機EL LTPO 1~120Hz対応
画面解像度 1080×2364
2076×2152
サイズ 76.3×155.2×10.8mm
155.2×150.4×5.2mm
重量 258g
CPU Google Tensor G5
内蔵メモリー 16GB
内蔵ストレージ 256/512GB
外部ストレージ ――
OS Android 16
対応バンド 5G NR(サブ6+ミリ波):
n1/2/3/5/7/8/12/14/20/25
/26/28/29/30/38/40/41/48/66
/70/71/75/76/77/78/79
/257/258/260/261
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13/14
/17/18/19/20/21/25/26/28/29
/30/32/38/39/40/41/42/46/48/66/71/75
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
無線LAN Wi-Fi 7
カメラ画素数 48メガ(1/2型、OIS)
+10.8メガ(超広角、マクロ)
+10.5メガ(光学5倍、OIS)
前面:10メガ インナー:10メガ
バッテリー容量 5015mAh(最大30W)
Qi ○(最大15W)
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IP68)
生体認証 ○(側面指紋、顔)
SIM nanoSIM+eSIM(eSIM×2)
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
カラバリ Moonstone、Jade

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

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