シャープ、主力スマホ「AQUOS sense10」と超軽量VRグラス「Xrostella VR1」を発表 (1/2)

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

2025年10月31日 18時00分

前へ 1 2 次へ

 シャープは今日31日、主力スマートフォンである「AQUOS sense10」と、新型VRデバイス「Xrostella VR1」を発表しました。同社は、カメラ付き携帯電話の誕生から25周年を迎えたことを振り返り、AIソリューション、パーソナルデバイス、次世代データ通信の3つの柱を軸に、「ひとの願いの、半歩先」という新しいコーポレートスローガンのもと、事業を推進していくことを示しました。

シャープの通信本部長 中江優晃氏が冒頭のプレゼンを務めた

ひとの願いの、半歩先

日常を1つ上の体験へ導くスタンダード
AQUOS sense10

 AQUOS senseシリーズは、今回で10機種目となるシャープ主力のスタンダードモデルです。今回発表された「AQUOS sense10」は「日常を1つ上の体験へ」を開発コンセプトとし、「ハイエンド級のスペック」「誰でも簡単に使えるAI」「個性を引き立てるデザイン」の3点を軸に進化しています。

AQUOS sense10の製品説明を担当したパーソナル通信事業部長の川井 健氏

 SoCには、ミドルハイクラスのSnapdragon 7s Gen 3を搭載。前モデル(Sense 9)と比較して、CPUは20%、GPUは最大40%、AIパフォーマンスは30%の性能向上を実現しています。

 ディスプレーは、ミドルクラスとして初めてLTPO駆動方式を採用した6.1型のPro IGZO OLEDを搭載し、省電力でありながら240Hzまでの滑らかな表示を可能にしています。また、ピーク輝度2000ニトの高輝度設計により、屋外での視認性も確保しました。

 Senseシリーズの特長である電池持ちも健在で、5000mAhの大容量バッテリーを搭載。省電力ディスプレーと高効率SoCの組み合わせにより、フル充電から1日10時間使用しても2日間使用可能としています。連続動画再生時間は最大36時間であり、3年使用してもバッテリー劣化の心配がないとのこと。

 本体は、大容量バッテリーを搭載しながらも、わずか166gの軽量ボディを実現。この大容量と軽さの両立がSenseシリーズのこだわりです。メモリーは6GB(仮想+6GB)と8GB(仮想+8GB)、ストレージは128/256GBが用意され、外部ストレージには2TBまでのmicroSDに対応します。また、最新のAndroid 16が最初から使えるのも特徴です。OSアップデートは最大3回を予定しています。

 価格はSIMフリーモデルが6GB/128GB構成で6万2700円、8GB/256GB構成で6万9300円(7万円を切る価格)で、11月13日より順次発売されます。キャリアの取り扱いは、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、そしてMVNOはJ:COM Mobileとなっています。

 なお、質疑応答では2025年度モデルとして、プロシリーズの発売予定はないことが明言されました。ハイエンドスマホが好きな人には残念なお知らせです。

誰でも簡単に使えるAI機能の進化

 カメラのパートでは、Rシリーズのチューニングを取り込んだ新画質エンジン「ProPix」により、ズーム時や暗所での画質が大幅に向上したことが発表されました。AQUOSシリーズではおなじみの「影が消せる」AIに加え、水族館や車窓などガラス越しの反射を軽減する新機能「ケースモード」を編集いらずで利用できます。

カメラの詳細

撮影時に自分のスマホの影が入っても……

このように消してくれる

新たに加わったショーケースモード。鏡越しに撮影すると、周りの風景が映り込んでしまうことがある

ご覧のように綺麗に映り込みを消してくれる。フィギュアなど、ショーケースに入れて大事にしまってあるものを撮影するのに便利そう

 また、新機能のAI通話「Vocalist(ボーカリスト)」を搭載しました。これは、周囲の喧騒下でも「本当に伝えたい自分の声だけ」を通すことを目的としており、ユーザーの声をあらかじめ登録しておけば、AIが声の特徴を分析して合致した声だけを通し、周囲の雑音はカットするという、スマートフォンでは非常に珍しい仕組みを採用しています。これは通話アプリだけでなく、リモート会議アプリでも使用可能です。

目玉機能のVocalist

Vocalistのデモを行なう川井氏。相手が雑踏の中にいても、スマホに届くのは通話相手の声だけ

初公開! Tシャツより軽いVRデバイス
「Xrostella VR1」は装着ストレスから解放される

 シャープは、VRを「時間と場所を超えた新しいコミュニケーションを生み出すもの」と再定義し、VR普及の障壁となっていた「付け外しのしにくさ」や「重さ」といった装着ストレスの解消に注力しています。

Xrostella VR1の説明をした通信事業部 コネクテッドソリューションズ事業統轄部 ビジネス推進部長 立川壮一氏

 スマートフォン開発で培った技術を投入して開発された「Xrostella VR1」は、メガネ形状を採用することで瞬間着脱を可能とし、重量も198gに抑えられています。これは、長時間の使用でも疲れにくい設計を目指したものです。

 販売戦略として、まずエンドユーザーからのフィードバックを得るため、11月下旬からクラウドファンディングを通じてプロジェクトをスタートさせます。現時点での価格帯は、コントローラー付きで15万円前後を想定しているとのこと。

 接続に関しては、コンテンツが充実しているPC接続(Steam VR対応)をまず選択し、体験重視の方にアピールします。クラウドファンディング後に発売する際には、動作保証の観点からAQUOSシリーズ限定でスマホ接続対応を進めていく予定です。

 シャープは、VR市場の認知度を確立し、法人向けソリューション展開を加速させたい考えで、商用化は2026年度中を目指したいとしています。今後はVRデバイスを含む「パーソナルUX」のデバイス群を拡充し、ウェアラブル分野も検討中であるとのことです。先日発表したEVといい、シャープはまたもや新しい分野へと裾野を広げています。

前へ 1 2 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング