松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

手帳の情報化を支えるマイクロデスクトップ環境 (2/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2009年05月05日 17時00分

手帳に必要な情報環境とは
いったいどのようなものなのだろうか

 システム手帳に入るネットワーク文具。ここには果たして、どんな機能が必要なのだろうか。これまでケータイのネット環境に取り組んできた福野氏は、ケータイに置き換わるモノではなく、実際の使い勝手の中での役割を考えている。

 「ケータイがネットに対応することで、さまざまな自分の環境を管理できる便利な道具へと進化していくと考えていました。しかし現在も情報を扱うソフトウェアに未整備な部分があります。この点を便利にしていくことを目指しています。

 ケータイですべて完結しているビジネスパーソンは限られており、情報をシステム手帳で管理している人は多い。システム手帳を補完する形で、ネットに対応する端末を持ち歩くことが便利だ、という体験をjig.jpのブランドでしてもらえればと考えています」(福野氏)

 モバイルノートを普段から仕事で使っている人は別にして、メールやウェブを外出先で活用できているのは、スマートフォンを使いこなしているような先進的なユーザーに限られるのが現状だ。それ以外のユーザーが手帳内の情報とネットとを繋ごうとするとき、プラスする端末はなにもスマートフォンである必要はないのである。

検索アプリ

デスクトップ環境には検索窓が用意されている

 「WILLCOM NSはあくまで、ネットの情報を閲覧する端末です。そのため、情報を入力する点は、ソフトウェアキーボードをペンでタッチする方式のみと割り切りました。一方で、ウェブをブラウズする方法は、豊富に用意しています。jigブラウザはケータイではすでにおなじみの、サーバーで圧縮した情報を表示させる軽快な読み込みを実現します。FlashやAjax、SSLを使ったサイトを見たい場合は、NetFrontへワンタッチで切り替えることができます」(福野氏)

 また検索にもこだわっている。デスクトップ環境には検索バーが用意されていて、検索エンジンを選んでワンタッチでウェブ検索が可能だ。検索結果をケータイではおなじみの機能である画面メモで保存して、いつでも見ることができるようにしてある。手帳の中でウェブから情報を取り込む。これがWILLCOM NSのポジションなのだ。

 「この端末は非常にシンプルで、普段の生活にいつでもウェブをプラスする存在です。欲を言えばスムーズな入力も欲しいですが、広い画面を持ち歩くことがポイントだと考えています。ケータイなど他のデジタルガジェットとあわせて活用していただければと思っています」(福野氏)

WILLCOM NS上のjigletでブラウジングなどを行なった

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