松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

手帳の情報化を支えるマイクロデスクトップ環境 (4/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2009年05月05日 17時00分

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デジタル化された手帳の未来を作れるか?

 機能が成長する手帳とも言うべきWILLCOM NSは非常にユニークな情報端末だ。

 僕はiPhoneを使い始めてからは、システム手帳を本棚にしまい、すっかりiPhoneのみでスケジュールと電話帳、メモなどを管理するようになった。それと同時に、モバイルPCを持っていなくても、インターネットメールが見られ、ウェブ検索も可能になり、Twitterのような新しいコミュニケーションに熱中できる。

 一方で無くしてしまったのは、手書きですぐに文字やイラストを使った情報を書き留める手軽さかもしれない。

 鍛錬の結果、iPhoneでの文字入力は速くなってきたが、それでも紙の手帳に比べるとハードルはあるし、文字とイラストを混在させるといった芸当はまだまだできない。しかし今後App Storeで登場するアプリで可能になるかもしれないし、iPhone 3.0ではメモをPCと同期したり、ボイスメモを標準搭載したりと拡張も進む。

 WILLCOM NSは手帳と共存させることが前提であるため、入力に関しては最低限のモノを搭載するに留められているが、たとえばペンで紙に書いたノートを端末に重ねると画像として取り込んでアーカイブしてくれたりすると、その入力の弱さを補ってあまりあるだろう。

 もちろんスキャンの機能はハードウェアの拡張が必要となってくるが、jigletのアイディア次第では、同じような便利さを体験できるかもしれない。とにかく道具をよく知り、わがままを言うことが大切ではないだろうか。

筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET


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