FOMA網と無線LAN
まだまだ速度が違うインターネット「エリア」
自宅のインターネットライフに比べて、大学のキャンパスは天国のようだった。慶應SFC(湘南藤沢キャンパス)は2000年頃にはすでに無線LANが用意されていて、キャンパスのどこからでもネットワークにログインできる。
まだ「常時接続」というのに未経験なままで、キャンパスでは料金も気にせず、自宅よりも遙かに早いインターネット環境が利用できるのだ。ICQやMSN Messenger、IRCといったテキストコミュニケーションだけでなく、キャンパスでReal Producerでネットラジオの実験をしてみたこともある。
現在は5000円前後の月額料金で、下り数Mbpsから10Mbps以上のデータ通信をモバイル環境で利用できるようになり、ネットを使った個人放送は映像付きのライブ中継まで可能になったことは、以前のL-05Aの記事でご紹介した通りだ(関連記事)。
ではここで考えたいのが、ケータイが無線LANを活用できるようになったときになにができるのかという点だ。無線LANとのハイブリッドを実現した「N-06A」について日本電気株式会社の板本真一氏に話を聞いた。
「待ち受け画面のデスクトップに簡単接続のアイコンをおいて、手軽に無線LAN接続ができるようにしてあります。家の無線ルーターを設定すれば自動的に接続できます。IP電話の子機として使うこともでき、家庭では内線とホームネットワークの端末、外出先ではケータイとして使えるようになります」(板本氏)
では、肝心のデータ通信周りはどうだろう。
「一人暮らしだと身近なところにパソコンがあるかもしれませんが、実家暮らしや自分の部屋にパソコンがない人が、寝る前にmixiをフルブラウザで楽しむにはピッタリです。1ページ当たりのファイルサイズを1.5MBまで拡大してあるので十分楽しめるのではないでしょうか。また動画サイトを楽しむ時には快適さが違ってきます。ドコモのホームUに入れば、iモードの公式サイトも無線LANで利用できます」(氏)
ホームUは無線LAN対応ケータイ向けにドコモが用意したサービスで月490円。このホームUとの組み合わせで、ガラリと世界が変わるという。上記の無線LAN経由でのiモードのほかにも、IP電話の発着信がケータイの090の番号から可能になったり(ワンナンバー:月157.5円)、ホームU間の通話が無料になる点も大きなメリットがある。
家庭内の無線LAN環境がケータイにとっての特別なエリアに変化するのが、無線LAN対応ケータイとホームUの組み合わせなのだ。