iPhoneの有機ELディスプレーは韓国からの調達に依存している
アップルは中国での組み立てを最終工程とする世界規模のサプライチェーンを構築していることで知られています。そのため、アジアを中心とした企業からパーツを調達し、極力在庫を持たない適時生産をしてきました。
しかしこうした体制は、特に東アジア諸国や米国の関係性が良好であることが前提でした。この連載でも米中貿易問題の影響について触れてきましたが、米中問題について既にアップルは動き始めています。
iPhoneの製造をインドへ、AirPodsの製造をベトナムへと分散させる計画だと日本経済新聞が伝えました。
アップルは最終的な製品をそれぞれ台湾・鴻海精密工業(フォックスコン)、中国・歌爾声学(ゴーテック)で組み立てていますが、これらの企業が中国外に製造拠点を持つ形で、15〜30%の製造を中国外に分散する施策を採っています。
しかし新たな火種は、日本の韓国に対する輸出管理強化、いわゆるホワイトリストからの除外の問題です。
この問題についてひとつ疑問なのは、韓国が日本から戦略物資を輸入できなくなったわけではないにもかかわらず、日本や韓国のメディアでは「規制」という言葉が使われている点です。
中国をはじめとするアジア諸国はそもそもホワイトリストには入っておらず、通常通りの輸出手続きを取っています。そのため韓国も同じように手続きを取ればいいだけのはず。もちろん今まで優遇されていた扱いが変わる点が承服しかねるということなら分かるのですが。