Windows情報局ななふぉ出張所

中国がキャッシュレスで旅行しやすくなった (2/2)

文●山口健太

2019年11月14日 09時00分

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■旅行者向けの「ツアーパス」が登場

 アリペイを本格的に使うには、中国の銀行口座と紐付ける「実名認証」を求められます。しかし中国の銀行で外国人が口座を作るのは難しくなっています。

筆者も銀行口座の開設にチャレンジしたが、丁重に断られた

 これまで筆者はチャージ業者に高い手数料を払ってアリペイにチャージしていましたが、ついにアリババが旅行者向けの仕組みとして「ツアーパス(Tour Pass)」の提供を開始しました。

 ツアーパスを利用すると、パスポート情報を登録することで日本の一般的なクレジットカードから簡単にチャージできます。アリペイのアプリ内に専用のデビットカードが追加され、支払時に切り替える方式になっていました。

手持ちの残高(左)とは別に、ツアーパスの残高(中)が増えた。支払時に切り替える(右)

 以前からある制限として、日本のコンビニなど中国以外でアリペイを使うには実名認証を求められます。以前、那覇のゆいレールがアリペイに対応したときに失敗したように、外国人が中国の外でアリペイを使うことは想定していないようです。

 ただ、実名認証がなくても短期間の旅行であれば十分に使えます。アリババが展開するスーパーとして注目される「盒馬鮮生(フーマー)」でも会員用アプリと紐付けることで買い物ができました。

アリババの最新スーパー「盒馬鮮生(フーマー)」でも買い物ができた

 ライバルのWeChat Payについても、海外のクレジットカードに対応することが発表されています。中国では徐々に「顔認証」の導入が進んでいるなど、さらにハードルの高い仕組みも出てきていますが、まずは中国を旅行しやすくなるツアーパスの登場を歓迎したいところです。

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