ケータイを作り続ける京セラ
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクからは、細々ではあるが、ケータイの新製品も発売されている。NTTドコモは先述のドコモケータイ DIGNO ケータイ ベーシック(京セラ)を今年6月に発売するし、KDDIも「かんたんケータイ KYF41(京セラ)」を今年3月に発売したばかりだ。ソフトバンクも2020年3月にDIGNOケータイ3(京セラ)を発売済み。
ちなみに、見ての通り、いまケータイを意欲的に生産しているのが京セラだ。同社はKDDIの親会社ということもあり、au向けが中心だったが、いまではソフトバンク、さらにNTTドコモにも納入している。京セラはアメリカ市場でも警察や消防などガテン系職業向けのスマホやケータイを手がけており、堅牢性、信頼性で提供のあるデバイスで定評のあるメーカーだ。
京セラはなぜケータイを作り続けるのか。
同社によれば「現在、スマートフォン市場が拡大する中で、一定のシニアや法人のお客様の中にはこれからもフィーチャーフォンを使用し続けたいと思っている方々がいます。京セラは、そのようなお客様のニーズにお応えし、メーカーとして継続的にフィーチャーフォンを提供していくという社会的な責任があると考えております」という。
かつてケータイと言えば、パナソニックやNECが花形メーカーであったが、スマホの波に飲まれてあっさり撤退してしまった。ガラケーを使い続けるユーザーのなかには「操作を覚えるのが面倒だから同じメーカーを使い続けたい」とこだわる人もいるようだが、ケータイを作るメーカーはかなり限られるため、「同じメーカーを使い続ける」というのも難しくなってきているのが現状だ。そんななか、京セラは地道にケータイを作り続けている。
一方で、メーカーがやる気でも、キャリアがケータイを出し続ける意思がないことには、ケータイが絶滅しかねない。