新色ピンクにさらなる強力カメラ! iPhone 13、ASCII徹底大特集

アップル「継続は力なり」を体現する新製品ラインナップ (3/3)

文●柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

2021年09月25日 14時00分

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iPhone 13 Proは新しい超広角カメラでマクロ写真撮影ができる

カメラが気になるiPhone 13/iPhone 13 Pro

 iPadほどではないが、iPhoneの進化もかなり漸進的なものとなっていた。iPhoneの場合、大きな変化は基本的に2年に1度というペースになっている。今年は変化の小さな年にあたっているから、これは想定の範囲内と言える。それでも、カメラについては比較的大きな進化が盛り込まれていて、去年iPhone 12シリーズに買い替えた人にとっても、かなり魅力的なものに映るだろう。

iPhone 13のレンズ部

 名前にProの付かないiPhoneの12と13を比べてみると、表面的なレンズのF値や撮影画素数のスペックは変わらない。しかしiPhone 13では、光学式手ぶれ補正がセンサーシフト式になったのが大きな違いだ。iPhoneのカメラも、ついにここまで来たかと思わせるような進化だろう。

 それを実現するために、2つのカメラを対角線に配置して、レンズ間の距離を広く取ったという説明も理にかなっている。正方形の対角線は1辺の長さの約1.4倍だから、同じサイズ感でデザインされたカメラモジュールなら、レンズの距離も1.4倍にできてスペースを確保できるというわけだ。

iPhone 13 Proのレンズ部

 発表を聴いていて、それならiPhone Proはどうなるのだろうと、ふと心配になった。iPhone Proの場合、3つのうち2つのレンズは、後正面から見て正方形の台座の左上と左下に縦に並べて配置されている。その点は、iPhone 12 ProもiPhone 13 Proも同じだ。それだとProの付かない13のような対角線配置ではないので、レンズ間の距離が確保できないのではないか。

 まだ現物も手にしていないし、このあたりの寸法はスペック表にもないのだが、後でiPhoneの製品写真を見て納得した。iPhone 12 Proの場合、カメラの台座のサイズはProの付かないiPhone 12と同じだ。Proの付かないiPhone 13も、ほぼ同じと思われる。ところが、iPhone 13 Proでは、台座自体がかなり大きくなっているのだ。写真を見ると、iPhone 13の台座は本体横幅の半分以下なのに対し、iPhone 13 Proでは、それが明らかに本体横幅の半分以上ある。それなら、対角線の配置でなくても、レンズ間の距離が十分に確保できる道理だ。

 こうしたハードウェアのスペックだけでなく、ビデオ撮影のシネマティックモードも気になるし、Proのみのようだが2cmまで寄れるというマクロ撮影機能も気になる。以前からそうした傾向は見られるものの、これはスマートフォンに高性能カメラが付いているのではなく、高性能カメラシステムに通信機能と、おまけで通話機能を付けたような製品なのだと改めて思い知らされた。

 変化は確かに地味だったかもしれないが、これらの新製品に搭載され、もうすぐ登場するiOS 15、iPadOS 15と合わせて、実機に触ってみるのが楽しみな新製品ラインナップであることは確かだ。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 

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