CES 2023では大手企業が派手な展示をする一方で、スタートアップやベンチャー、あるいは中国のOEMメーカーなども積極的な展示を行なっていた。その中からモバイルやスマートフォンに関連した展示物をいくつか紹介しよう。
充電不要、腕時計バンドを活動量計にする「BHeart」
Baracodaの「BHeart」は一見するとただのブレスレットに見えるが、腕時計のバンドとしても使える形状になっている。このバンドの中央には心拍系など活動量を計測するセンサーが内蔵されており、普通の腕時計で日々の健康状態や運動量を計測できるようになる。ソニーのwenaが腕時計をモバイルペイメント対応にするバンドのように、BHeartも腕時計をスマート化してくれる。
しかも、ベルト部分には太陽電池と温度を使った発電センサーが搭載されている。太陽電池は室内の光でも本体の充電を可能にしてくれ、また温度発電センサーは手首に巻いているときに体温を使って充電してくれる。すでに太陽電池や体温で充電できるスマートウォッチは販売されており、これらの技術は十分実用的なのだろう。しかも、BHeartは時計部分を持たずセンサーからのデータ取得とBluetooth/Wi-Fiによるスマートフォンとの接続だけに電力を使うため、より少ない電力で動くわけだ。なお、iOSとAndroidで利用できる。
スマホゲーマーに最適な
ペルチェ素子空冷ファン付きゲームパッド
スマートフォンに取り付けるゲームパッドは様々なものが発売されている。Gamesirの「Gamesir X3 Type-C」はパッドの裏側にスマホクーラーを内蔵した製品で、日本でもECサイトで販売されている。ASCII.jpでもレビュー済みだ(スマホを本格ゲーム機にするコントローラー「GameSir X3 Type-C」はゲーマーの味方!)
本体はクリップ式。高さ110mmから179mmのAndroidスマートフォンを挟み込むことができる。スマートフォンとの接続はBluetoothではなくUSB Type-Cのためボタンの遅延もほとんどないとのこと。
背面のクーラーは空気だけで冷却するのではなく、スマートフォンとの設置面にペルチェ素子を張り付けた本格的な構造。なおクーラーを使うには別途USB Type-Cケーブルによる給電が必要だ。
なお、ABXYのボタンはマグネットで脱着式のため交換できる。Xboxレイアウト、Switchレイアウトを入れ替えることができるわけだ。スマートフォンでゲームプレイ中に本体の発熱を感じる人は使ってみるといいかもしれない。
スマホ用の定番温度センサーがワイヤレス化
FLIR ONE Edge Pro
サーモグラフィーカメラ専業のTELEDYNE FLIRからは、スマートフォンの外付けカメラとして使える「FLIR ONE Edge Pro」を出展した。同社は過去に、スマートフォンの下部端子に直接取り付けることのできるサーモグラフィーカメラを発売したが、Lightning用、Type-C用と2種類を作り分ける必要があった。FLIR ONE Edge Proはスマートフォンとの接続をワイヤレスにしたことでiOS、Androidどちらのスマートフォンでも利用できるようになった。
本体サイズは149×37.5×35mmのスティック状で重量は153g。静止画のみならず動画の撮影もできる。バッテリー容量は不明だが充電時間は60~90分、動作時間は1時間30分。USB Type-Cケーブルで充電する。
本体にあるクリップをスマートフォンにはめることで、スマートフォンと一体化させることもできる。測定温度範囲はマイナス20~120度、および0~400度とのこと。