HONORの「Magic V3」は世界最薄サイズの折りたたみスマートフォンだ。中国では7月に先行販売され、9月からグローバル市場でも発売になった。閉じたときの大きさは一般的なスマートフォンとほとんど変わらず、実際に触ってみるとその完成度にも驚かされる。
見た目は「普通のスマホ」な本体サイズ
Magic V3の閉じた状態は一般的なスマートフォンと変わらない。SoCはSnapdragon 8 Gen 3を採用している。閉じたときの本体サイズは約156.6×74.0×9.2mm、重さは約226gだ。ディスプレーは6.43型(2376×1060ドット)、アスペクト比は20:9で、フロントカメラは2000万画素。専用スタイラス「Magic Pen」の利用にも対応する。
背面はマットなブラック仕上げ。ほかにヴィーガンレザーのグリーンとブラウンモデルもある。カメラは3つとも高画質なものを搭載、広角が5000万画素、超広角が4000万画素、望遠が5000万画素で光学3.5倍に対応する。
本体を横から見ると数字通りに薄いことがわかる。9.2mmの厚さは一般的なスマートフォンにケースをつけた状態と同等であり、一昔前のスマートフォンならこれより厚いモデルもあった。側面はエッジ部分の角を丸めているため握りやすく、手に持ってみるとスペックよりも薄く感じられる。
また、重さも折りたたみスマートフォンとしては軽量であり、しかも「iPhone 16 Pro Max」の227gよりも軽いのだ。もちろんiPhone 16 Pro Maxはおりたたむことはできない一般的なスマートフォンだ。
ヒンジカバーも薄く、カバー部分だけの厚みは一般的なスマートフォンと同等かそれ以下だろう。ここまで薄いともはや折りたたみスマートフォンを普段持ち歩くことになんら抵抗はなく、逆に「開けないスマートフォン」を買う理由がなくなってしまうほどだ。とはいえMagic V3の価格はまだ高く、ヨーロッパでの価格は1999ユーロ、日本円で約32万円だ。
本体を下部側から見るとUSB Type-C端子がフレームいっぱいに内蔵されており、限界まで薄型化を進めたモデルであることがわかる。SIMカードトレイもギリギリに納められており、eSIMをメインに使ったほうがいいかもしれない。
バッテリーサイズは5150mAhで66Wの有線充電、50Wの無線充電にも対応。IPX8の防水にも対応する。
折れないか心配になるほど薄い4.35mm
本体を開くと約156.6×145.3×4.35mmのサイズとなる。ディスプレーは7.92型(2344 ×2156ドット)のほぼ正方形型だ。OSはAndroid 14ベースのMagicOS 8を搭載する。
Magic Penはアウトディスプレーだけではなくメインディスプレーでもそのまま使える。これはアウトディスプレーではペンが使えないサムスン製品との大きな違いだ。
折りたたみスマートフォンはディスプレーのヒンジ部分の折り目が気になるものだが、Magic V3の折り目は浅く、あまり目立たない。それよりも薄型サイズの折りたたみモデルを使っていることが快適であり、折り目など気にならないというのが実情ではないだろうか。
筆者もMagic V3を使っている最中に、とにかくこの薄さにほれぼれしまい、ほかの機能に気が回らないほどだった。
ヒンジの動きはスムーズで、180度開いたときはしっかりと固定される。そのため片手で保持しても使いやすい。本体を開き裏返した時はアウトディスプレーが消灯表示となるが、カメラ起動時はプレビュー画面として使うことも可能で、撮影される側が自分の表情を見ながら写真を撮ってもらうこともできる。
4.35mmの厚さは小型タブレットとしても世界最小クラスの厚みであり、開いたままカバンの中に入れても場所を取らない。薄いからと言って持ちにくいことも無く、軽量と相まって開いたまま持ち歩くことも快適だ。折りたたみスマートフォンに対しての「厚い」「重い」という固定概念はMagic V3には一切当てはまらない。
折りたたみスマートフォンはヒンジ部分を曲げた状態で使うこともできる。Magic V3は本体厚みが薄く、ヒンジ構造も小さいことからか、止めておける角度は他社の折りたたみスマートフォンより若干浅いと感じられる。とはいえ、メインディスプレーのインカメラをったビデオ会議や、本体を台などの上に置いて三脚不要で写真を撮る用途などには十分使える。