電子ペーパー搭載のKindleは確かに優れた製品で、電子書籍の読書には非常に適しています。ただし、その前提として、ユーザーが自由にアプリを動かすことはできず、Amazonのエコシステムでの利用が前提。それ以外のコミックアプリや電子書籍サービスは原則使えません。
その点、Androidを搭載し、Google Playが利用できるBOOX Palma 2なら、自分の好きなアプリを自由にインストールできます。もちろんE Inkの特徴として、長時間の読書や寝る前のリラックスタイムにも合っています。
「スマホの通知に気を取られたくないけれど、紙の本よりも軽快に読みたい」。そんなニーズに応えてくれるのが、このBOOX Palma 2です。
BOOX Palma 2を購入する3つのメリット
ポイント(1)目に優しいE Ink電子ペーパーで、寝る前読書にも最適
BOOX Palma 2の最大の特徴は、Kindleと同等の300ppiのE Ink電子ペーパーを搭載している点です。E Inkは紙のようにバックライトを持たず、光を反射する仕組みで表示されるため、目への負担が大幅に軽減され、長時間の読書でも疲れにくいのが大きな魅力です。
特に効果を実感できるのは夜の時間帯。寝る前にスマホでSNSや電子書籍をチェックすると、眠気を遠ざけてしまうことがあります。しかしE Inkなら、ベッドサイドで自然に読書に没頭し、そのまま快適に眠りに入ることができます。
ポイント(2)スマホライクなデザインと軽快な取り回し
続いてのBOOX Palma 2の魅力は、見た目もサイズ感もほぼスマホというスタイルにあります。電子書籍リーダーの多くは6〜7型のタブレット的デザインですが、本機は縦長ディスプレイ比率を採用。これにより小説やマンガだけでなく、TwitterやInstagram、LINEといったSNSアプリでも自然に使えます。
重量も約170gと昨今のスマホと比較すると軽量です。片手で長時間持ち続けても疲れにくく、電車通勤やカフェでのちょっとしたスキマ時間にも快適に読書が楽しめます。
加えて、側面ボタンを活用してページ送りを操作できる点も便利。現行のKindleにはページ送りボタンを搭載するモデルがなくなり、画面をタップする必要があるのに対し、紙の本をめくるような自然な感覚で使えます。
ポイント(3)Google Play搭載で多様な電子書籍ストアやアプリが自由に使える
Kindleは、原則としてAmazonのプラットフォームに依存することが前提の端末です。もちろんそれでも問題無いという人もいるでしょうが、ネット上にはコミックを中心にアプリやサービスが多数登場しています。BOOX Palma 2はAndroid&Google Playを搭載しており、これらの利用に制約がないわけです。
Google Playストアから好きなアプリをインストールし、楽天Kobo、BookLive!、少年ジャンプ+やピッコマといったコミックアプリまで、あらゆる読書スタイルに対応します。もちろんKindleアプリも利用できます。
Android端末としてみた場合は、必ずしもすごく性能が高いわけではありませんが、動作はなかなか快適。E Ink特有の画面切り替えの「間」こそあるものの、アプリの起動やページめくりに問題は感じません。特にKindleと比較した場合にはその差は実感できます。
購入時に注意するべき側面
ポイント(1)価格は5万円台と気軽には手が出しにくい
BOOX Palma 2の販売価格は5万円台前半。その特徴的な機能を考えると、「高すぎる」わけではないですが、単に電子書籍リーダーとして見た場合、Kindleが1〜2万円台で購入できるため割高に映るかもしれません。
本格的に読書を楽しみたい人にとっては十分に価値のある投資ですが、「E Inkって、どんな感じか気になるから試してみたい」という程度のライトユーザーにはハードルが高いかもしれません。スマホのサブ機として導入するには勇気が必要な金額なので、どちらかと言えば“わかっている人向けの製品”であることは確かでしょう。
ポイント(2)電子書籍以外の用途にはE Inkの特性を理解する必要がある
E Ink搭載端末の利用経験がある人には釈迦に説法かもしれませんが、E Inkの表示特性についてはあらかじめ知っておく必要があります。汎用のAndroid端末であるため、さまざまなアプリが動作しますが、動画視聴や高速スクロールにはハッキリ適していません。
というわけで、本機は万能なスマホの代わりにはなりません(そもそもモバイル通信機能もありませんし)。あくまで「電子書籍の快適な読書」が用途の中心であり、その枠を超えた利用をする場合には工夫や割り切りが必要です。